カローラスポーツがクラストップで居続ける理由とその実力

■同クラスのマツダ3ファストバックや新型シビックは?

マツダ3 ファストバック 1.8XD Lパッケージ。エンジンもさることながら、このクルマの魅力は何といってもファストバックの流麗なデザイン
マツダ3 ファストバック 1.8XD Lパッケージ。エンジンもさることながら、このクルマの魅力は何といってもファストバックの流麗なデザイン

 さて、パワートレインが特徴的でMTも用意されるCセグハッチといえば、マツダ3があげられます。

 マツダ3は1.5Lガソリン、2.0Lガソリン、1.8Lディーゼルターボに加えて、スカイアクティブXの名前を使うSPCCI(Spark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火)方式の2.0Lガソリンにモーターを組み合わせたパワーユニットを用意しています。

 スカイアクティブXはたしかに先進さを感じることができるユニットですが、既存のガソリンエンジンとのフィーリング差が小さいのが難点。ロータリーエンジンはまったく違う世界を感じさせてくれましたが、スカイアクティブXはガソリンエンジンの1つのバージョンというイメージです。

 クルマもパワーユニットも魅力にあふれるのですが、スカイアクティブXを選ぶと価格は約320万円~となってしまううえに指定燃料がプレミアムで、コストパフォーマンスという面はかなり厳しいのが現実です。

 6月にワールドプレミア、8月に日本で発表、9月から国内で販売が始まる新型シビックもCセグハッチバックの主要モデルといえます。

先代より洗練度を増した新型『爽快シビック』。5ドアセダンは廃止され5ドアハッチバックのみとなった。2021年8月5日に発表され、9月3日(金)に発売される
先代より洗練度を増した新型『爽快シビック』。5ドアセダンは廃止され5ドアハッチバックのみとなった。2021年8月5日に発表され、9月3日(金)に発売される

 11代目となる新型シビックは、1.5LのVTECターボを搭載。CVTおよび6MTが用意されます。このシビックの価格はベーシックモデルのLXが319万円、EXが353.98万円と300万円オーバーとなります。

■伝家の宝刀「シンメトリカルAWD」のインプレッサスポーツ

インプレッサスポーツの骨格は、FFでも水平対向エンジンを縦置き配置することで左右シンメトリカルな重量配分を容易に実現できることがメリット
インプレッサスポーツの骨格は、FFでも水平対向エンジンを縦置き配置することで左右シンメトリカルな重量配分を容易に実現できることがメリット

 価格でカローラスポーツに太刀打ちできるのがスバルのインプレッサスポーツです。インプレッサスポーツは1.6Lと2.0L、そして2.0L +モーターとなるマイルドハイブリッドの3種のパワーユニットを有しています。

 スバルといえばシンメトリカルAWDと呼ばれる4WDが有名ですが、どのパワーユニットを選んでも4WDはチョイスできます。逆にマイルドハイブリッドは4WDのみでFFはありません。

 価格帯はベーシックモデルが200.2万円、トップエンドのSTIスポーツの4WDが292.6万なので、価格的にはほぼバッティングします。装備面での格差はコネクティッドの部分程度ですが、インプレッサは2016年デビューとデビュー後に月日が経っていること、スタリングがハッチバックよりもワゴンに近いことなどがあげられます。

■輸入車とかつてのライバル日産のCセグハッチはどうだ?

 輸入車に目を向けるとVWゴルフ、アウディA3スポーツバックやルノー・メガーヌ、プジョー308などがCセグハッチとして注目されるモデルです。

新型ゴルフ8は直列3気筒 1Lターボ DLA型エンジンを搭載。48Vマイルドハイブリッドにより低速トルク補助、静粛性、低燃費を実現
新型ゴルフ8は直列3気筒 1Lターボ DLA型エンジンを搭載。48Vマイルドハイブリッドにより低速トルク補助、静粛性、低燃費を実現

 価格を見ていくとVWゴルフが291.6万円~、アウディA3スポーツバックは310万円~、ルノー メガーヌが346.2万円~、プジョー308が296.7万円~とどの車種もベーシックグレードの価格がカローラスポーツのトップエンドの価格より高い設定。

 ここから、装備を加えていくとどんどん価格はアップする。例えばアウディA3などは、標準ボディ色はアイビスホワイトのみで、ほかのボディカラーはすべてのグレードでプラス7万円のオプション。

 こうやって各車種を比べて見るとカローラスポーツというか、トヨタの底力を感じさせる内容となった。

 残念なのは、ここに日産が登場しないこと。かつて、トヨタのライバルとしては必ず日産が、日産のライバルにはトヨタがいた。一部のジャンルではライバル関係があるが、一部のジャンルではそれがなくなってしまった。

 しっかりとライバル関係で競ってこそいいクルマは生まれてくる。日産のCセグハッチへの参入に期待したい。

【画像ギャラリー】カローラスポーツと人気のCセグハッチバックのクルマを写真でチェック!!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!