2021年6月、全モデルに電動化技術が採用され登場した5代目Cクラス(W206型セダン・S206型ステーションワゴン)。
充実の安全運転支援機能、小回り性能をさらに強化するリア・アクスルステアリング。7年ぶりのフルモデルチェンジ。今作も死角は見つからない。
※本稿は2021年7月のものです
文/谷山 雪 写真/メルセデス・ベンツ
初出:『ベストカー』2021年8月10日号
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■さらなる進化を遂げ、Dセグメントの頂点へ
メルセデスベンツ Cクラスの最新モデル「W206」が6月29日に発表され、7月下旬から一部モデルの先行予約受付が開始されている。
5代目にあたるW206型は、全車のエンジンに電動化技術を採用。Sクラスに通じるデザインと、ふんだんに投入された先進技術により、セグメントトップの座を確固たるものにせんとしている。
パワートレーンはすべてISG(マイルドハイブリッド)またはプラグインハイブリッドにより電動化。C200およびC200 4MATICにはエンジン単体で最高出力204psを発生する1.5L直4ターボを搭載。
C220dにはエンジン単体で200psを発生する2L直4ディーゼルターボを採用。
両パワートレーンとも、エンジンとトランスミッションの間に配置される「ISG」により、短時間で最大20psのブーストが可能となっている。
2022年内の日本導入が予定されているC350eは、204psを発生する新型1.5Lの直4ターボに、最大129psを発生する電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド。
内部に冷却システムを備えた25.4kWhのリチウムイオンバッテリーを採用し、電気のみでの走行可能距離100kmを達成している。
なお新型Cクラスのトランスミッションは、全モデルが9速ATの「9G-TRONIC」となる。
また新型Cクラスは、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」が採用されたことも大きなトピック。
約60km/h以下では、後輪が前輪とは逆に最大2.5度傾くことで回転半径が小さくなり、約60km/h以上では、後輪を前輪と同方向に最大2.5度操舵することで、中高速域での走行安定性を大きく高めている。
そして先進装備に関しても新型Cクラスは「全部盛り」と言っていい充実ぶり。
レーダーセーフティパッケージの精度と機能は格段に強化され、「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」には自動再発進機能を付加。
高速道路での渋滞時に自動停止した際、30秒以内(一般道では3秒以内)に先行車が発進した場合は、アクセルを踏まずとも自動で再発進が可能になった。
また「アクティブステアリングアシスト」も、ステレオマルチパーパスカメラに加えて360度カメラシステムも使用することで対応可能なカーブが増え、より精密に車線中央を維持できるよう機能強化された。
そのほか「渋滞時緊急ブレーキ機能」や「アクティブレーンチェンジングアシスト」、「アクティブエマージェンシーストップアシスト」、「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)」なども機能が大幅に強化されている。
デリバリー開始は、セダンのC200およびC220dが今秋、C200 4MATICは2022年第1四半期、C350eは2022年中頃、ステーションワゴンのC200およびC220dについては2022年第1四半期が予定されている。
●メルセデスベンツ 新型Cクラス 主要諸元
・全長:4751mm
・全幅:1820mm
・全高:1438mm
・ホイールベース:2865mm
・ガソリンエンジン(C200):直4DOHC+ターボ1496cc 204ps/5800-6100rpm 30.6kgm/1800-4000rpm
・ディーゼルエンジン(C220d):直4DOHC+ターボ 1993cc 200ps/4200rpm 44.9kgm/1800-2800rpm
・モーター出力:20.4ps/20.4kgm
※データはセダン・欧州参考値。
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