先代型では489万円から用意されていたメルセデス・ベンツCクラス。しかし新型はC180がなくなり、654万円からという価格設定になった。
従来のエントリーグレードがなくなって、150万円以上高い価格からのスタートになる新型Cクラス。しかし、それでも“ベンツの定番”であるCクラスは、いままでと同じようにやっぱり売れちゃうのか?
発表されたCクラスの内容やこれまでのベンツの売れゆき傾向から、石川真禧照氏が考察する。
文/石川真禧照
写真/メルセデス・ベンツ日本
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■ニューCクラスは全モデルで電動化!
6月末にメルセデス・ベンツからCクラス(セダン/ステーションワゴン)が発表になった。現行モデルが2014年の発表だったので約7年ぶりのニューモデルということになる。
「Cクラスは1982年に『190クラス』として登場以来、動力性能や快適性、安全性などあらゆる面において常にセグメントのベンチマークとされているモデルです」とメルセデスがプレスリリースに書いているぐらいの自信作。
その最新モデルというだけに、メルセデスの最新技術がふんだんに採用されている。新型Sクラス譲りの要素が入っていることも自慢のひとつなのだ。
実際に新型Cクラスはサポートの精度を高めた安全運転支援システム、直感的な操作設定が可能な縦型の大型センターディスプレイ、直感的な行先案内が可能なARナビ、生体認証によるシートポジションなどの設定、片側130万画素のデジタルライトによる夜間の視界確保、後輪操舵システムなど、Sクラスからの技術を踏襲しているのは事実。
さらにパワーユニットはISGとプラグインハイブリッドをラインナップしたことで、全モデルの電動化を実現している。ただし、ここでの電動化というのは、EV(電気自動車)だけというのではなく、マイルドハイブリッド(ISG)、プラグインハイブリッドも含んでいる。モーターが付いていないガソリン/ディーゼルエンジン車はない、ということだ。
■価格の高さはSクラス譲りの最新技術だけが原因ではない
で、ここからが今回のテーマ。今回発表された新型Cクラスセダン/ステーションワゴンは、セダン4グレード、ワゴン2グレードを用意。
セダンは、C200アバンギャルド、C200 4マチックアバンギャルド、C220dアバンギャルド、C350eアバンギャルド。ステーションワゴンは、C200とC220dのアバンギャルドだ。
価格を調べて、ビックリ。もっとも低価格なセダンのC200アバンギャルドで654万円。一番高いのはステーションワゴンのC220dアバンギャルドの708万円(C350eアバンギャルドは価格未定)なのだ。
従来モデルでは489万円のC180(受注生産)から設定されていたことを考えると、一気に価格アップしている。
確かに、車格としては、ホイールベースが25mm、全長は65mm延び、2865mmと4751mmになった。全幅も10mm広くなり1820mmになったが、それにしても大幅な価格アップだ。
ちなみに2014年に現行モデルが発表になった時の資料を調べてみると、7月にセダンが発表されたのだが、ベースグレードのC180は419万円、C180アバンギャルド467万円、C200アバンギャルド524万円、C250スポーツ644万円だった。
今回のエントリー価格は654万円だから、それよりも前回の最高価格車は10万円も安いことになる。7年前のこととはいえ、そこまで物価上昇はしていないハズ。
この強気な価格設定と車種設定は、どこからくるのだろう。取材をしてみると、なるほど、と思えることがいくつか浮上してきた。
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