忘れがちだけど大事な燃費を伸ばすカーメンテ 4選

エンジンオイルは定期交換を

 エンジンオイルは、摺動部のせん断や熱、ピストンとシリンダー間からわずかに漏れ出す燃焼ガス(ブローバイガス)の侵入、水分や酸素による酸化などによって劣化することで、徐々に本来の性能が発揮できなくなっていきます。

 特に、劣化による影響が大きいのはオイル粘度の低下です。エンジンオイルの主要な役割は潤滑ですが、ネバネバのオイルからサラサラの黒ずんだオイルに変化すると、摺動部に適正な油膜が形成できなくなることで、摺動部品間で金属接触を起こし、摺動部のフリクションが増えて燃費が悪化します。さらに、摺動部が傷つき、最悪の場合はオイル切れで焼き付いてしまうことも。

 オイル交換時期は、クルマやエンジンの仕様によって異なりますが、メーカー指定値を守るのが基本です。一般的には、交換時期は10,000kmまたは1年程度。ただし、ターボ搭載車やシビアコンディションと呼ばれる厳しい条件で日常的に使用する場合は、交換時期は通常の半分程度にしなければいけません。

 純正オイルよりサラサラの低粘度規格オイルに交換すれば、燃費は僅かですが向上します。特に低温時に効果的ですが、一方で高温時の潤滑性能が低下するので、エンジンを高回転でブンブン回すユーザーにはお薦めできません。

月に1回は、レベルゲージでオイル量と汚れをチェック。黒ずんでサラサラになったら要注意。(PHOTO:写真AC_ Hic)
月に1回は、レベルゲージでオイル量と汚れをチェック。黒ずんでサラサラになったら要注意。(PHOTO:写真AC_ Hic)

バッテリーも定期交換が大事

 バッテリーは、使用不使用に関わらず時間とともに内部抵抗が増大して、経年劣化を起こします。劣化し始めると、電池容量と充放電機能が低下してバッテリーが上がりやすくなります。また、バッテリー液が少ない状態を放置すると、劣化が加速します。

 バッテリーの主要な役目は、始動時にスターターを回すことですが、始動時にスターターを回すことができないことがないよう、走行中にオルタネーターの発電によって充電しています。オルタネーターは、バッテリーの容量が規定量(例えば、フル充電時の70~80%)を下回った時に充電するように制御されているため、バッテリーが上がり気味で容量が少ないと、充電頻度が増します。

  オルタネーターは、エンジンの回転力(出力)で発電します。発電してない時には回転抵抗は発生しませんが、発電中は回転抵抗が発生するため、充電頻度が増すとその分燃費は悪化します。ただし、全体の電気量の中ではその割合は大きくないので、燃費悪化も微少です。

 劣化したバッテリーは、充電によって一旦電圧は上がりますが、またすぐに電圧低下を起してしまうため、新品バッテリーに交換するしかありません。規格品で大きな容量のバッテリーもありますが、冬季のバッテリー性能の向上や長寿命化には効果的であるものの、燃費の向上効果は期待できません。純正バッテリーを3年程度で交換する方が、コストパーフォーマンスでみれば有利です。

バッテリー液の点検は月に1回。バッテリー液が減ると、劣化は急速に劣化が進むので要注意(PHOTO:写真AC_ 8maki)
バッテリー液の点検は月に1回。バッテリー液が減ると、劣化は急速に劣化が進むので要注意(PHOTO:写真AC_ 8maki)

定期的なエレメント交換で高速燃費が変わる

 空気中のゴミや砂ぼこりなど、エンジンへ異物が混入することを防ぐため、吸気系最上流にはエアクリーナーが装着されています。エアクリーナーには、濾過機能を持つエアフィルタ(エレメント)が内蔵されており、走行距離とともにエレメントは汚れ、異物が詰まってきます。

 エレメントが詰まって吸気抵抗が増えると、出力は低下します。例えば、詰まりによって吸入空気量が10%低下すれば、最高出力は10%低下します。

 ただ、通常の走行条件では、もともと要求空気量が少ないので、アクセルを多少余分に踏み込む(エンジンのスロットルを開く)ことになりますが、燃費への影響はほとんどありません、しかし、パワーが必要な高速運転では、パワー不足によってアクセルを踏み込みやすくなるので、燃費は悪化しやすくなります。

 エレメントの交換時期は、通常3~4万kmですが、悪路や砂地など劣悪な環境で頻繁に走行する場合は、交換頻度を増やすことをお薦めします。自分で清掃しても、ある程度きれいにできますよ。

エレメントが薄黒く変色したら交換時期。自分で清掃して交換時期を遅らせることも可能(PHOTO:写真AC_ 海悠)
エレメントが薄黒く変色したら交換時期。自分で清掃して交換時期を遅らせることも可能(PHOTO:写真AC_ 海悠)

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 今回取り上げたメンテナンス項目は、ユーザー自身が簡単にチェックできる項目です。共通するのは、抵抗を減らすこと。効果は小さいかもしれませんが、確実に燃費が良くなる手法です。

 カーメンテナンスに、もう少しだけ積極的に取り組むことで、長い目でみればトータルコストを抑えることができます。乗りっぱなしは損。1ヶ月に1回、ちょっと手間をかけましょう。

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