トヨタがスターレットの後継にあたるコンパクトカーを開発中というのはベストカー本誌&Webで既報のとおり。さらにラリー車のベースとなる「GRスターレット(仮称)」を計画中というニュースもお伝えした。今回はさらに、このGRスターレットのもう少し踏み込んだ情報を入手した!!
※本稿は2024年8月のものです
文、予想CG:ベストカー編集部/写真:トヨタ ほか
初出:『ベストカー』2024年9月10日号
■実用的な5ドアを持つ本格スポーツ
トヨタがスターレット後継に当たるコンパクトカーを開発中。ベストカースクープでその第一報をお伝えしたのは2024年の6月のことだった。
販売を終了しているトヨタ パッソ/ダイハツ ブーンの代わりになるコンパクトカーだが、単なるファミリカーだけでなく、ラリー車のベースになるGRスターレット(仮称)も計画されているのが大きなニュース。WRCラリー4クラス参戦マシンのベースになるFFターボスポーツがそれである。
今回新たに入手した情報では、ヤリスなどのナロータイプのBプラットフォームを採用し、サスペンション形式はフロントがストラット、リアがトーションビームになるという。
そのあたりは想定の範囲内だが、今回ベストカーが最も重要な情報として捉えたのが、このGRスターレットは5ドアボディになるということ。
ファミリーユースのスターレットは5ドアで、ラリーベースのGR仕様は3ドアと聞いていたのだが、その情報は間違っていたのか、あるいはその後に変更になったのか、とにかく5ドアが正解だったということだ。
そう聞いて喜んでいるユーザー予備軍も多いのではないだろうか。3ドアと5ドアでは実用性が段違い。
GRヤリスのように3ドアのほうが“武闘派”の雰囲気は出るかもしれないが、実用的な5ドアなのに中身は本格スポーツというのも“通っぽい”。もちろん、ラリー4マシンも5ドアで作られる。
■2026年の市場投入を目指して開発中
エンジンに関しては以前の情報から変化はなく、直3、1.3Lターボの純エンジン車となる。
GRヤリス、GRカローラに搭載しているG16E-GTS型1.6Lターボのダウンサイズ版で、ある程度の改造が認められているラリーマシンでは210ps前後を発生するが、市販モデルは150ps前後と予想。最大トルクは22.5kgmあたりとなりそうだ。
また、GRスターレットは6速MT専用モデルになる可能性が高いという。GRヤリスには競技でも使えると評判の8速DAT(ダイレクトAT)が使われているが、GRスターレットにはその設定がないもよう。
GRヤリスの8速DATは6速MT車の35万円高。GRヤリスよりもリーズナブルな価格を目指しているGRスターレットでその差は大きすぎるという判断だろうか。BCの予想価格は6速MTで250万〜280万円である。
標準グレードのスターレットは5ナンバーサイズだが、GRスターレットは前後バンパーの大型化やトレッド幅の拡大のため3ナンバーサイズになる。とはいえ、予想サイズは全長3850×全幅1725×全高1475mmとコンパクトで、車両重量も1トン切りは必達目標となっているはずである。
2026年の市場投入を目標にしており、ラリー4は、シリーズ全体で2万5000台、連続する12カ月間に2500台生産というベース車の規定があるため、実戦投入は2027年からとなりそうだ。
●トヨタ GRスターレット 主要諸元(予想)
・全長×全幅×全高:3850×1725×1475mm
・ホイールベース:2450mm
・車両重量:980kg
・エンジン: 直3、1.3Lターボ
・最高出力:150ps
・最大トルク:22.5kgm
・トランスミッション:6MT
・駆動方式:FF
・登場時期:2026年
・予想価格:250万〜280万円
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