2013年4月のニューヨークショーでワールドプレミアを果たし、夏からの正式販売を控える2代目レンジローバースポーツ。ランドローバーが誇るプレミアムSUVの雄、その発売前の試乗レポートの様子をプレイバック!(本稿は「ベストカー」2013年6月26日号に掲載した記事の再録版となります)
文:石川真禧照
■ランドローバー本社のテストコースで試乗を敢行!
自動車メーカーのテストコースというのは最高レベルの機密部分。おいそれとは入れてくれない。そこを走るというチャンスはボクたちでも滅多にない。
4月のニューヨークショーでワールドプレミアしたレンジローバースポーツは、今夏から正式に販売が始まる。
そのクルマをランドローバー本社が英国ソリハルのテストコースで試乗させてくれた。レンジローバーというのは、ランドローバー社のプレミアムブランドだ。
新型レンジローバースポーツ(レンジスポーツ)は、初代が2005年に登場し、これまでに約40万台を販売した人気モデルの後継車。
SUV初のオールアルミボディのレンジローバーと共通のコンポーネンツを利用しているが、ボディサイズは全長、全高がコンパクトになっている。
さらに、乗車定員も5+2名で、サードシートを備えている。このサードシートはメーカーでも「+2」と言っているように、ふだんは床下に格納されている。
「+2」シートを設けた理由は、ユーザー層の違いから。レンジスポーツはレンジよりも車両価格が安く、ユーザー層も若い。子供も小さい。両親も健在なので、会う機会も多い。
そうなるといままでのレンジスポーツや新型のレンジでは乗り切れない。そこで、子供用のシートを用意したというワケだ。ユーザーニーズを巧みにつかんだ車両開発といえる。
選べるパワーユニットはガソリンがV8、5Lの510psとV6、3Lの340ps。ディーゼルはV6、3Lの258psと292ps。年末には4.4L、339psのディーゼルが追加される。さらに、来年にはV6ディーゼル+50モーターのハイブリッドも販売される予定だ。
ボクがテストコースで試乗したのはV8、5Lモデル。担当員の運転でワインディングロードに向かう。途中でアストン・マーティンに出会った。ソリハルのコースはアストンやジャガーと共用しているのだ。
コースは石畳や凹凸路がところどころにある、1.5車線の道。ガードレールはないが見とおしがいいのでコーナーを攻めてみる。
5代目のエアサスペンションは可動範囲も大きくなった。4輪駆動システムもオフロード重視とオンロード重視が選べる。
ワインディング走行をアッという間に終え、次は高速周回路。一周5~6kmのフラットなコースは5~6車線。ここで思い切りアクセルを踏み込む。8速ATは、V8、5Lエンジンを6500回転まで、引っ張り、加速する。
スピードメーターの針は240km/hをオーバー、250km/hまで加速したところでコーナーが迫り、ブレーキング。減速も迫力がある。車両は高速安定性もよく、風切音も少ない。
今回の試乗はオンロードだけだったが、オフロードでは水深85cmまでOKという実力も秘めている。新型レンジスポーツはSUVのスーパーカーだ。
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