■強固なボディはオンロードでも役に立つ?ミニバンよりもプラドを選べ!
本格的なオフロード走行ができるプラドの走行性能は、何も険しい山道でないと能力が発揮できないわけではない。頑丈なボディとシャシーは、オンロードでも十分にその真価を発揮する。
2010年代、ミニバン需要が高く、今ほどSUVが持てはやされなかった時期に、筆者がミニバンを見に来たユーザーに対し、陰ながら紹介していたのがプラドだった。
ミニバンと比べれば車内は狭いし、ドアもヒンジタイプだ。スライドドアでボックスタイプのミニバンには、圧倒的に室内空間や機能性では負けるプラドだが、それでも7人乗りが選べる多目的車である。
ミニバンを見にきた来店客の中で、幼稚園児から小学校高学年までの子供を持つファミリーには、特にプラドを強く紹介した。この世代が抱える悩みの中で多かったのが「車酔い」である。
子供がクルマに酔うことが多いから、今の閉塞感が強いクルマより、広いミニバンにしたいと来店するユーザーは一定数いた。しかし、車酔いする張本人をミニバンに試乗させても、どこかピンと来ていない。
大きな箱型をしているミニバンは、空間が大きい代わりに車両剛性を高くしにくい。そのためクルマのピッチングやロールが大きく、車酔いしやすいタイプのクルマと言える。
そこで、がっしりとしたプラドに乗ってもらうと、同乗する子供の顔色も良くなることが多かった。ボディ剛性が高く、フワフワ感が少ないプラドは、車酔いという問題を抱える家族から支持されるクルマなのだ。
実際にプラドを納車後から、子供の車酔いが無くなったという話を、数多くもらっている。筆者が子育て世代に最もおすすめしたい7人乗りのクルマは、ミニバンではなくプラドだ。
■幅広いファンが原動力、プラドで本物を体感せよ!
2021年8月2日に、ランドクルーザーは300系へフルモデルチェンジを果たした。事前受注から大人気となり、既に4年分の年間生産台数に相当する注文が入っているという話もあるほどだ。
ランクル300に人気が集まり、プラドは苦戦を強いられているか思いきや、2021年7月、プラドの新車販売台数は2,630台(前年同月比157.5%)と、底堅い売れ行きを維持している。
販売現場での経験上、ランクルとプラドが客を取り合うところはほとんど見ない。プラドには、ランクルのように強い固定客は少ないが、ミニバン・セダン・コンパクト等、車種を問わず乗り換えの商談が入る。ランクルよりも、支持するユーザーの層が広く、その数も多いと感じるのだ。
武骨で強靭なイメージのあるランクルに対して、どこか可愛らしさや愛くるしさを感じられるプラドは、女性人気も高い。多くの人が、気軽に「本物」を体感できるプラドには、まだまだ底知れぬ魅力が存在しているはずである。
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