■腰痛の予防策と留意点について
一般的な腰痛の予防策としては次のようなものがある。
・腰部への負担を減らすため自動化、省力化、補助的ツールを工夫する
・作業方法の見直し・改善
・意識的に小休止・休息を取り入れる
・長時間の固定された姿勢は、腰部へ負担がかかるため、体を動かす
いっぽう作業別に留意すべき点もある。
・「一回ごとの負荷×回数」に留意
・同じ重量でも作業姿勢を変えると腰部への負担は大きく変わるため、標準的な作業姿勢を習得する
・積降ろしは持ち上げる力はいらないが、無理な姿勢やバランスを崩した瞬間など、腰部に大きな負担がかかることがある
・足元や荷姿に注意し、不意な重心移動を避ける
・長時間運転の直後に荷物の運搬をするときは、カートや台車の活用など、腰部への負担をできるだけ小さくする
また、腰痛予防のためには日頃からの取り組みも重要だ。
・日頃から軽いストレッチをするなど、身体を柔軟にする。ただし長時間運転の直後は、腰部への負担がかかっているので、無理な運動はせず、軽く歩くなど徐々に身体を慣らす必要がある
・バランスを崩したり滑ったりすると急な動作につながり、腰部にとても大きな負担がかかるので、普段から急な動作にならないよう気をつける
・寒さは、血行が悪くなり腰部への負担を増大させるため、腰痛の発生や悪化につながる。寒冷な場所では保温対策に努める
・重量物を取り扱う作業では、喫煙、前日の飲酒や睡眠不足が腰痛の発生や悪化に悪い影響を及ぼすことがある
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腰痛は、トラックドライバーのみならず、長時間クルマを運転することの多いドライバーも注意が必要。正しい知識にのっとって日頃から腰痛の予防をすることが大切だろう。
※出典/「陸運と安全衛生」令和3年9月号「陸運業における腰痛予防対策」(厚生労働省 労働基準局 安全衛生部 労働衛生課 主任中央労働衛生専門官 搆 健一)より
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