新車購入時に、営業マンがお勧めしてくるオプションの代表例といえば、フロアマット、サイドバイザー、ナンバーフレームの3種類だが、最近ではボディコーティングを強く勧めるお店が増えてきた。筆者も、ボディコーティングを勧めてきた元営業マンの一人である。
本稿では、昨今ディーラーで勧められるボディコーティングの意味や価値を紹介していく。読者の皆さんに、ボディコーティングに対する知識を深めていっていただきたい。
文/佐々木 亘、写真/AdobeStock(トビラ写真=naka@AdobeStock)
【画像ギャラリー】やっておいて損はないのか!? 愛車が汚れにくく洗車が楽になるボディコーティングの秘訣
■下取り額にまで影響するボディコーティング
ディーラーで扱うボディコーティングの種類は、昨今大幅に増えている。高価格帯のコーティングが増え、輝きや防汚効果を高めた商品が人気だ。
プリウスサイズのクルマで5万円程度だったコーティングは、現在ガードコスメSPで約7万円、最高級のプレミアムコーティングとなると25万円を超える。
さすがに何十万もコーティングにかけるのは気が引けるかもしれないが、新車時施工で10万円程度なら、施工しておいて損は無いだろう。洗車は楽になるし、クルマの汚れ方も全然違う。
さらに、買った瞬間からクルマを手放すときのことを考えたくはないが、コーティング施工車と非施工車では、下取り価格が大きく変わる可能性がある。
特に黒や紺などの傷が目立ちやすいボディカラーでは、ボディコーティングの力を大きく感じる。
筆者はこれまでに何百台と下取り車の査定をしてきたが、コーティング施工車では査定時に減点の対象となる、小傷が少なくなる傾向がある。見た目が綺麗なクルマは丁寧な扱いを受けてきただろうと予想でき、査定士の心象も変わってくるだろう。
ボディコーティングは、クルマの使用中から、最後の手放す瞬間まで、ユーザーにとっての多くのメリットを生み出すオプションなのだ。
■トラブル防止や作業効率アップに、ボディコーティングは欠かせない
販売店の立場に立つと、できるだけ多くのオーナーにボディコーティングを施工して欲しいのが本音である。それは「儲かるから」だけではない。
販売店業務の核を担う、整備作業時間の短縮と、クオリティを高めるために、ボディコーティングの施工は欠かせないのだ。
洗車にしても拭き上げにしても、コーティング施工車は圧倒的にやりやすい。作業時間が短縮され、仕上がりの程度も高くなる。特に高級車で選ばれることが多い黒は手入れの難しい色だ。販売店にとっても、取り扱いに気を遣う色であり、ボディコーティングの施工は必須級となる。
黒のクルマを買いたいユーザーには、新車の商談時からボディコーティングを強く勧める。どうしても施工してくれないような場合には、値引き額の範疇で「プレゼント」という形をとり、ボディコーティングを施工して納車ができるよう準備するだろう。
営業マンにとっては手間のかかる作業だが、このひと手間が、後々の自分たちを大きく救う。小傷の発生によるトラブル防止や、作業効率を向上させるためにも、効果の高いコーティングを勧め、施工してもらいたいのが本音である。
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