伝説のグレード名「SSS」響きにときめいた実績とまさかの復活可能性

「510系の再来」と呼ばれた6代目、FF化した7代目

 その後、1979年11月には6代目のブルーバード(910系)が登場。直線基調のシンプル&クリーンなフォルムから、「510系の再来」とも呼ばれた。1980年3月には、リアにセミトレーリングアームとコイルスプリングの独立懸架サスペンションを備えたSSS系に、過給機付きの「1800ターボSSS」が登場。1770ccの直列4気筒SOHC(Z18ET型)は、最高出力135ps、最大トルク20.0kgmを達成、当時としては非常に高性能であった。

 続く、1983年登場の7代目ブルーバード(U11)では、2ドアハードトップが廃止され、ベースはエンジン横置き配置のFFに変更、ワイドトレッド化に加えて、サスペンションも4輪ストラットになり操安性能が向上。

 またSSSの意味合いも、「スーパー・スポーツ・セダン」から「スーパー・スポーツ・サルーン」になるなど、大変更となった。一方、ワゴンにも1800ターボSSSを設定するなど、当時としては珍しいグレードもあった。

1979年11月に登場した6代目ブルーバード(910系)、の2ドアハードトップ1800SSS。歌手の沢田研二さんがイメージキャラクターを務め1982年2月まで小型車クラス販売27カ月連続トップという驚異的なセールスを記録
1979年11月に登場した6代目ブルーバード(910系)、の2ドアハードトップ1800SSS。歌手の沢田研二さんがイメージキャラクターを務め1982年2月まで小型車クラス販売27カ月連続トップという驚異的なセールスを記録

「ラリーに強いニッサン」を取り戻したU12

 続く8代目ブルーバード(U12系、1987~1991)も名車と名高い。駆動方式は引き続きFFおよび4WDで、4速ATもしくは5速MT、サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット、リアはストラット式だ。

 8代目U12系の大きな特徴が、アテーサ(ATTESA)と呼ぶセンターデフ式フルタイム4WDシステムを採用したことだ。後にスカイラインGT-Rも、このシステムの改良型を採用している。また、「SSSアテーサリミテッド」仕様には、「スーパー・トー・コントロール・サスペンション」が設定され、操縦安定性の高さも評判が良く、「走りの次元が高いスポーティセダン」として広く認知された。

 この「SSSアテーサリミテッド」をベースとしたラリー専用車「SSS-R」が存在するなど、歴代ブルーバードの中でも特にスポーツ性が高いと評判が高い。1989年のマイナーチェンジでインタークーラー付きターボのSR20DET型エンジンに変更となっている。1988年全日本ラリー選手権のチャンピオンカーにもなった。

8代目ブルーバード2000SSS アテーサX。1989年のマイナーチェンジから採用したSR 型エンジンを搭載。ターボエンジン+フルタイム4WDになるなど、歴代ブルーバードの中でも特にスポーツ性が高いと評判が高い
8代目ブルーバード2000SSS アテーサX。1989年のマイナーチェンジから採用したSR 型エンジンを搭載。ターボエンジン+フルタイム4WDになるなど、歴代ブルーバードの中でも特にスポーツ性が高いと評判が高い

北米ナイズされたU13で転び、回帰を狙ったU14でも販売不振

 9代目(U13系)では、スタイルを一変。北米初代アルティマとボディ共通となったことで、滑らかで大らかなスタイリングへと変更、それまでのハードな4WD車の雰囲気は消えてしまった。4ドアピラードハードトップのラグジュアリーなARXと、スポーティなセダンのSSSを中心に販売された。

 2000SSSアテーサリミテッドには、フロントにもビスカスカップリングを用いた新システム「トリプルビスカス」という、凝ったメカニズムを採用。エンジンは2.0LのSR20DET型インタークーラー付きターボと、1993年以降の後期型では2.4LのKA24DE型エンジンを搭載したSSS-Zを追加した。だが、北米優先のエクステリアデザインに加え、日本全体に到来したセダン不人気により、販売は低調。1995年には、SSS-Zは廃止となった。

 10代目ブルーバード(U14)は、U12以前の角ばったデザインへと回帰し、4ドアセダンだけとなった。スポーティなSSSと、ファミリー向けのルグランの2グレード構成を販売の主力に。同時期のP11プリメーラとプラットフォームを共用し、駆動方式はFFとツインビスカスのアテーサ4WD、エンジンもターボを止め、環境性能の高いNAエンジンのみとした。それでも、人気が復活することはなく、2001年、SSSはブルーバードと共に終了となった。

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