■無料シャトルの新たな歴史を築いていくか?
筆者がこのループに初めて乗ったのは11月1日。SEMAショーの前夜祭イベントが終わってからであった。この時はまだ来場者も少なく、待ち時間ほとんどなしに乗ることができた。
しかし、翌日、SEMAショー1日目の午後はかなりの混雑だった。向かって左の乗り場はすべて7~8組の列ができていて、右は空いていた。「ウエストホールに行きたい」と告げると案内係のお兄さんが左の乗り場を案内してくれたからだ。
でもよく考えれば右から行ってもわずかに(1分程度)長くかかるだけで、全然早かったはず。今考えればどちらから乗ってもすぐに目的地に着いたのに案内のお兄さんも良くわかっていなかったんだろう。
世界初のシャトルは何もかもが新しく近未来感覚にあふれていた。まずはテスラが発着するステーションだが、LED電飾が様々に色を変えながら乗り場を彩っている。EVなのだから当然だがテスラは音もなくスーッと乗り場まで入ってきて客人を乗せ、静かに異空間トンネルに入っていく。
美しい照明がトンネルの内壁とテスラが進む道を照らしている。ドライバーはフレンドリーでいろいろな話をしてくれた。掘削作業が格段にスピードアップしていることや、このたびのSEMAショーがスタート以来、初めての大規模なコンベンションでとても多くの数の乗客を乗せていて忙しいことなど。
相乗りした他の乗客(多分アメリカ人)は大体みんな動画を撮っていた。色鮮やかな地下トンネルに感動していたら、あっという間にトンネルの出口が見えてきた。一気に砂漠の眩しい光が降り注ぐ。歩くと20分位掛かっていた距離を実に心地よく素早くわずか1分少々で移動できた。
なお、ループに利用されるテスラは日本未発売のモデルYがほとんどで、車いす利用者に対応するため少数のモデルXも導入されている。
結局筆者はSEMAショーの期間中にモデルYが4回、モデルXが1回の計5回乗車した。これまでいろいろな「シャトル」に乗って来たが、もちろんLVCCループのようなシャトルは初体験である。『無料シャトルの歴史を変えた!』ともいえる世界初のシステムにいち早く乗車できたことはとても幸運なことだった。
現在はザ・ボーリング・カンパニーが雇用したドライバーが運転しているが近い将来にすべて自動運転になる模様。アメリカ以外にオーストラリアや中国などにおいても建設が予定されている。
地上の渋滞を解決する最後にして最高の空間である「地下」。拡張性に優れ、また建設中から他の交通に影響を与えない利点も大きい。
2022年1月にはいよいよ世界最大のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)が2年ぶりに同じくLVCCを中心として20万人規模でリアル開催される。SEMAよりもさらに大規模なイベントとなるCESで「LVCC LOOP」の活躍が期待されている。
【画像ギャラリー】まるでSF映画!? 鮮やかなLEDが彩る地下トンネルをテスラで無料送迎!! 本格稼働したLVCC LOOPを見る(15枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方