大奮闘&大クラッシュ!! WRCジャパン記念大会「セントラルラリー2021」で人生を学ぶ


 2021年11月12日(金)~14日(日)、愛知県豊田市などで開催された「FORUM8 Central Rally 2021(フォーラムエイト セントラルラリー2021)」(開催中止となったWRCジャパンの代替イベント)に、超辛口自動車ジャーナリスト国沢光宏氏が参戦!! 「R3」カテゴリーにてトヨタ86でエントリー。R3といえば元F1ドライバーであるヘイキ・コバライネン選手も参戦するカテゴリー。

 1日目を無事走りきり、いよいよ勝負の2日目…と期待していたところ、最初のSSでまさかのコースアウト&落下(落下?)。何が起こったのか。そしてラリーで派手にコースアウトするとどんな具合になるのか。迫真のレポートをお届けします。

文、写真/国沢光宏

【画像ギャラリー】本文未掲載写真多数(車両落下写真あり注意)ケガがなくてよかった…(10枚)画像ギャラリー

■「夕方まで踊っててもらいましょうか?」

 セントラルラリーで久し振りにやらかしました。右のタイトなヘアピンコーナーを全開アタック中、路面に落ちてる枯葉を発見。ブレーキ掛けスピードダウンしたものの間に合わず、写真のごとく、”つぅるん”とコースサイドに落ちちゃいました。一般的なモータースポーツの記事といえば、カッコよい表(おもて)ネタばかり。たまには裏ネタ記事も…ということで、こうなった後、ドライバーはどうなるか? 顛末記です。

初日は快走を続けた国沢さんでしたが…

 まずはコ・ドラの元気な姿を確認。メインスイッチを切って安全確認し、斜め60度くらいになってるクルマから脱出。6点式ベルトを外し、降りる(正確に表現すると落ちた!)。次は道路に出て後続車にOKサインを出し、無事を知らせなければならないが、いかんせん落ちた場所は泥沼みたいになっており、道路に上がるまで2分近くかかってしまう。

 上がるとちょうど同業者の竹岡圭さんが通り掛かる。路肩からにょっこり出てきた人を見て驚いたんだと思う。止まってくれました。やさしい。コ・ドラの山田さんから「大丈夫ですか?」と声を掛けられる。OKサインを出して「大丈夫です!」。そこからヘルメット被ったまま、後続車すべてにOKサインを出す。ラリー業界じゃ「踊る」と言います。

後続車に「無事です」と知らせるためにサインを出す必要が。大変不謹慎ながら本企画担当、この写真が送られてきて、メールを開いて笑いをこらえるのに必死でした

 40台くらいに対して踊った後、スイーパーと呼ばれる競技終了の安全確認車が来る。乗っていたのは大会組織委員長の高桑さんと、組織委員の関谷さん。う~ん、こんなトコロで会いたいヒトじゃなかった(泣)。

「このSS、午後もう1回使うので、クルマを引き揚げられなかったら夕方まで踊っててもらいましょうか?」と高桑さん。

 関谷さんは「ケガがなくて良かったですね」。コ・ドラの大西さんとKYOJO(関谷さんプロデュースの女子レース)で面識あるらしく、「ランクルに乗って行く?」。次のSSまで6時間もあるため踊らなくていいという判断になり、私はランクルじゃなくハイラックスの荷台でオフィシャルポイントまで(道路占有のため道交法は適用されない)。

(この写真はこらえきれませんでした)

 タイで何度かハイラックスの荷台に乗ったことはあるけれど、運転手はラリードライバーの平塚選手。けっこうなイキオイで林道を走っていく。こんなアトラクションあったら楽しいんじゃなかろうか。ショボンと荷台に座って走り去る林道を見ていると、人生の反省モードに入ります。いや、今回はコースアウトの反省でした。

■「気持ちはわかる」

 オフィシャルポイントでチームに連絡を入れ、クルマを引っ張る手はずなど打ち合わせ。オフシャルの皆さん、落っこちてシクシクしているドライバーにやさしく、コーヒーまで出していただく。ここのチーフは女性。自動車部出身なのか、とってもキビキビした対応でした。そうこうしてるうち、早くもレッカー車が到着したという。

 チーフに頼むとコース逆走通告をしてくれ、落ちた現場まで行くクルマ(ドクターカーでした)の手配も。何から何までありがとうございます! 落ちた場所まで狭くて曲がりくねった林道を走る。こんな道をあんな速度で走っていたのかと思うと、我ながら感心するばかり。すでにレッカー屋さんが作業完了しており、道路に出ている!

 このレッカー屋さん、愛知県じゃ相当有名な人らしく、元走り屋だったそうな。山の中に落ちたクルマを引っ張り上げるのは通常業務ですよ、という。「このくらいの落ち方なら余裕!」。メチャクチャ上手! 落ちた状態からボディ面に全くキズを付けることなく引っ張り上げてくれました。いやいや! どこの世界にもプロがいますね!

あざやかな手際で引き上げてくれました! 感謝!!!

 ここでもオフィシャルの皆さんにやさしく接していただき、スープや美味しいスモークチーズまで御馳走になる。コースアウトしたのは2002年の初ラリーと、2013年のタイだけ。その時も親切にしてもらったのを思い出す。元気よく走ってゴールするラリーとまったく違うラリーを久し振りに味わいました。そうこうしているウチにチーム員が到着。

 冷たい目で見られるかと思いきや、これまた「この程度のダメージなんか気にすることないです。ケガがなくてよかったです!」。

 とはいえ落ち込みますね~。WRCにも出場できるR3カテゴリーの新車86を「つぅるん」と落としちゃいましたから。ル・マンでクラッシュすると、ピットに戻らずその場から逃げ出すドライバーもいるという。気持ちはわかる。

セントラルラリー2021のマーシャルの皆さん。自動車競技はドライバーだけでなく、多くのスタッフに支えられて成り立っております

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