自動車安全性能2021で最高評価「ファイブスター賞」を獲得したルークス
日産ルークスは、2020年にフルモデルチェンジをした。これにより、2020年の自動車アセスメント対象車両となった。
3つの項目のうち、衝突安全では、10項目の試験のうち6項目でレベル5を獲得している。その他はレベル4だが、5段階での上位の成績であり、衝突安全の評価は86%の達成でAランクとなっている。
予防安全性能は、7つの試験項目があり、そのすべてでレベル5を達成し、評価100%でのAランクだ。
これに、事故自動緊急通報装置が装備されていることを加え、全体での評価判定は92%となって、5スターを獲得したのである。
現在、日産と三菱自動車工業はNMKV(日産・三菱・軽・ヴィークル)という合弁会社により軽自動車の企画、開発、生産を行っている。三菱自のeKスペースもルークスと同じ評価であるはずだが、事故自動緊急通報装置を装備していないため4スターにとどまっている。
日産が、軽自動車初として5スターを最新の自動車アセスメントで取得できた背景には、NMKVでの軽自動車専用企画・開発において、かつてGT-Rの開発に携わってきた実験部のテストドライバーが加わったことが大きいと考えられる。
彼にとって軽自動車開発は現行デイズから初めて携わる新しい作業だったが、登録車であろうと軽自動車であろうと、走行性能や安全性能はクルマとして同一であるべきという強い信念によって開発を実行してきた。GT-Rの乗員も軽自動車の乗員も、同じように安全が守られなければならないことになる。
そのためには、操縦安定性や安全性能に関わる機能や装備の充実によって生産原価が高くなる傾向となり、従来の軽自動車づくりでは考えられなかった工夫が不可欠となった。しかし信念を曲げることなく、様々な思案を織り込むことにより、軽自動車に見合う車両価格を実現しながら、操縦安定性と安全性能を高めていったのである。
したがって現在販売されている軽乗用車のなかでも、日産と三菱自の両車は、他社を超えた操縦安定性と安全性能が基本的に満たされているといっていい。試乗をしても、その手ごたえを感じることができる。
いっぽう、軽自動車の販売動向で両社は必ずしもベスト3をうかがう位置にこれまではなかったが、2021年10月の販売実績で、ルークスは2位を得ている。軽自動車初の5スターを獲得したルークスの本領が、市場で評価されてきたといえそうだ。
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