カーボンニュートラル、地球環境、2030年に向けた動き……。クルマ業界は確実に電動化への流れだが、「まだ今は内燃機関を楽しみたい!」、これが本音ではないだろうか。
今回は、そんななかでもその「技術」で見る人を驚かせた傑作エンジンと、今やハイブリッドが常識の現代においてエンジンとモーターの相性抜群なユニットを紹介する。
※本稿は2021年8月のものです
文/鈴木直也、国沢光宏 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年9月26日号
■エンジンの概念を変えた傑作の数々
名エンジンを3基に絞るのは難しいので、「たくさん売れて世の中を変えた名エンジン」というくくりで3つ選んでみた。
最初は、レーシングエンジンのみに許されていた至高のメカニズムをいっきに大衆化したトヨタの3S-FE型、いわゆるハイメカツインカム。
DOHC4バルブのポテンシャルを、パワーではなく燃費効率のために使うという発想は、極めて先進的だったと思います。
2番目はホンダから、可変バルタイの先駆者VTEC。NAでリッター当たり100psのエンジンなんて当時の市販エンジンでは夢だったが、それを可変バルタイによって実現。後には気筒休止などにも応用され、いまだにホンダのお家芸となっている。
3番目は日産のVG/VQシリーズ。
日産は国産V型6気筒エンジンの先駆者で、VG系がY30セドリックでデビューしたのは1983年。10年後にVQ系に進化し、日本のみならず世界中でヒットした。2Lから4Lまでバリエーションも豊富で、日産の上級モデルでは定番エンジンとして長く生産されていた。
同じシリーズとは言えないが、R35GT-Rに搭載されるVR38DETTや、新型Zに搭載されるVR30DDTTは、このVG/VQ系エンジンをターボで強化した直系の子孫に当たる。
日産のパフォーマンスエンジンの伝統は、このV型6気筒エンジンのシリーズが受け継いでいる。
■ハイブリッドはエンジンとモーターのマッチングが肝心
当たり前のことながら、エンジン出力に対しモーターの存在感が小さければ、そもそもモーターを使って走っていることすらわからない。
ちなみにその場合、単純なモーター出力ではなくてエンジンが掛かってない時の出力です。
エンジンがかかってない時は搭載している走行用バッテリーでパワーを出す。この数字はシステム出力からエンジン出力を引けばわかる。
例えばシステム出力でアクアとノートが116psで、フィット109ps。このうちエンジン出力はアクア91ps、ノート82ps、フィット98ps。
バッテリー出力はシステム出力からエンジン出力を引いたものだから、アクア25ps。ノート34ps。フィット11psになる。こうして見ていくとノートが圧倒的にモーターとのマッチングを味わえます。
ということで、エンジンとモーターとのマッチングが素晴らしい2台を選ぶなら、トヨタRAV4 PHVと三菱エクリプスクロスPHEV。この2台ということになります。この2モデルのエンジンとモーターのコンビネーションは本当に素晴らしい!
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