オイル上抜きは手抜き!? 下抜きオイル交換のデメリットとは

オイル上抜きは手抜き!? 下抜きオイル交換のデメリットとは

 オイル交換といえばフロア下でドレンボルトを緩めて……が定番。量販店では、ホースで上から抜く「上抜き」をしているところもあるが、どうにも「抜けきらない」「手抜き」「サボり」のようなイメージが拭えない。

 しかし、改めて上抜きを検証すると、下抜き以上に抜けることがあり、オイル漏れやネジを傷めるトラブルとは皆無。実は、上抜きはメリットだらけ!?

文/加茂 新、写真/加茂 新

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■オイルレベルゲージからオイルを抜く「上抜き」

上抜き用の器具は手動式で3000円ほどからカーショップなどで購入可能だ

 クルマに乗る上で必須なのはオイル交換。少しでも良い状態の愛車に乗りたいと願い、グレードの良いオイルを入れるユーザーも多いかと思う。

 オイル交換の方法は大きく分けて2種類ある。もっとも古典的で一般的なのは『下抜き』。クルマをジャッキアップするか、最近は減ったが穴の空いたピットにクルマを入れ、オイルパンにあるドレンボルトを緩めてエンジンオイルを抜く方法。

 もうひとつは『上抜き』。オイルレベルゲージが刺さっているパイプにホースを差し込んでオイルパンまで下ろし、そこからオイルを吸い上げる方法だ。

 まずはクラシカルな『下抜き』を考察する。

 やはりオイル交換の基本的な方法であり、一番たくさん抜けると言われている。

 しかし、手間はかさむ。オイルパンのオイルを抜くのでクルマの下に潜ることが必須。車高の高い車では、ジャッキアップが不要なことがあるが、アンダーパネルなどを外す必要がある。とくに最新のクルマほどフロア下はフラットになっているので、ネジを何十箇所も外すことになる。

 ドレンボルトのワッシャーは軟らかい素材で、規定トルクで潰して密着させることでオイルのにじみを防ぐように設計されていて、毎回交換が必須。地味だが100~200円は掛かる。

 最近の欧州車だとオイルパンごとプラスティック製で、ドレンボルトもプラスティック製の再利用不可のこともある。そうなると数千円掛かることもある。

 最近の国産車では軽量化のためにアルミオイルパンが増えている。プロの作業ではありえないと信じたいが、もともと柔らかい素材のアルミがゆえに、締めすぎのトラブルが起きやすい。鉄製オイルパンの勢いで「キュッキュッ」と締めるとネジ山ごとナメてしまう。

 ときにはオイルパンにヒビが入ることもある。そうなるとオイルパンごと交換するまで、エンジン始動さえできなくなってしまう。

 オイル交換はDIYのはじめの一歩的な存在だが、自分で作業するようであれば絶対にトルクレンチを使用して欲しい。ドレンボルトは国産車では14mmのボルトが一般的で、規定トルクは35~42Nmほど(車種ごとに異なる)。

 メガネレンチはそのボルトの大きさ=トルクに対応した柄の長さになっているが、14mmのメガネレンチの柄の長さで「ギュッ」と締めると、もうオーバートルクである。

 トルクレンチを使用するとわかるが「えっ、こんなものでいいの?」というくらいで適正なのである。

■『上抜き』は手抜きなのか!?

チューブを差し込んでポンプを操作。上抜きはボルトを緩めたりパネルを外したりという作業がないのでトラブルや手間が避けられる

 『上抜き』のメリットは、なにも緩めないのでトラブルの可能性が低い。ドレンボルトをナメる心配もないし、アンダーパネルを外す手間もない。

 だが、オイルが抜けきらない心配がある。そこで今回ZC33Sスイフトスポーツで検証。上抜き作業後にドレンボルトを緩めてみた。

 その結果はなんとオイルは一滴も出てこなかった。

 このエンジンの場合、ドレンボルトはオイルパンの最下部よりも少しだけ上に付いている。ドレンボルトの助手席側の方が若干低いので、抜けたと思っても助手席側だけをジャッキアップして車体を傾けるとまだ抜ける。これがいつまでもちょっとずつ抜けるのである。

 しかし、上抜きした今回は一滴も出ない。この最下部にオイルを抜くホースが刺さるようで、下抜きよりもむしろたくさん抜けてしまったのだ。

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