日本政府は2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、CO2排出の約18%を占める自動車のCO2排出量を削減するため、電動化を推進している。
一方で、EV化をカーボンニュートラル実現への「唯一の手段」とすることへの反対意見もある。
とはいえ、それでも間違いなく純内燃機関搭載モデルは消滅への道をたどることになる。そのカウントダウンの道筋をしっかりと検証していきたい。
カーボンニュートラル実現ということで、とかく「内燃機関がなくなる」ということに目を奪われがちだが、ガソリン車がなくなると同時に消えそうな機構って何だろう? そして最後まで生き抜くのは? 考えてみようじゃないか!
●ラインナップ
・その1:最後の3ペダルMT
・その2:最後のパートタイム4WD
・その3:最後のレバー式サイドブレーキ
※本稿は2021年10月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年11月26日号
■その1:最後の3ペダルMT
MTが絶滅の危機に瀕しているのは、皆さまご承知のとおり。ヨーロッパなど、ATの普及率がまだ低い地域もあるが、なにせ動力源が内燃機関だからこそのMTなので、EV化されたら生き残りようがない。すべてのクルマがEV化されたら、どうにもなりません。
でも、「すべてをEV化はしない」という方針を明らかにしているメーカーがある。そう、ポルシェだ!
ポルシェはカーボンフリーな水素由来の水素ガソリンを生産して、2035年以降も911やケイマンををはじめとしたスポーツカーを内燃機関で走らせる! そしてもちろんMTも残す! ……らしい。新型GT3にも6MTが復活したし。
ということで、かなり確実に最後までMTの設定が残るのは、ポルシェ911ではないだろうか!
■その2:最後のパートタイム4WD
パートタイム4WDは、ヘビーデューティな本格派クロカン4WDや、商用車など実用本位のクルマに残されているが、これもEV化されたらなくなってしまうだろう。
EVの場合、ドライブシャフトで駆動を伝えるより、モーターの数を増やすほうが簡単なので。自動で2WDと4WDを切り替えるEVは出るかもだが、そんなの本物じゃねぇ!
しかし日本は、2035年以降も「ハイブリッドはOK」という方針だ。つまり内燃機関が残る! もちろん軽自動車もハイブリッド化されて残る! どんな形式のハイブリッドだかわかんないけど! マイルドハイブリッドならすでに販売されているし。
つまり、最後のパートタイム4WD候補は、まず筆頭はジムニー! そして軽トラや軽バンなどの実用車系のクルマではないだろうか。
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