名車「ハチロク」パーツ再販で脚光!! レビン&トレノが35年経った今なお愛される圧倒的理由

名車「ハチロク」パーツ再販で脚光!! レビン&トレノが35年経った今なお愛される圧倒的理由

 2020年1月のA70型、A80型スープラの補給パーツ復刻・再販売を皮切りに、同年7月には名車トヨタ2000GT、2021年8月には40系ランドクルーザーの復刻してもらいたいパーツのアンケートを開始するなど、過去販売したトヨタの名車の純正パーツを復刻・再販売しているのが、GRヘリテージパーツプロジェクトだ。

 そして2021年11月1日、AE86型カローラレビン/スプリンタートレノの補給部品を復刻し、国内だけでなく、海外に向けても再販売が始まった。

 ここでは、再販売が始まったAE86型カローラレビン/スプリンタートレノのパーツについての概要と改めて今なお愛される理由を考えてみたい。

文/萩原文博、写真/トヨタ

【画像ギャラリー】GRヘリテージパーツプロジェクトの対象となっているトヨタの名車と復刻部品をチェック!!(14枚)画像ギャラリー

GRヘリテージパーツプロジェクトとは?

2019年5月のGRスープラ記者発表会で、パーツ復刻と再販が発表されたA70型と後継のA80型スープラ。2021年7月からは、復刻部品の追加販売が開始された
2019年5月のGRスープラ記者発表会で、パーツ復刻と再販が発表されたA70型と後継のA80型スープラ。2021年7月からは、復刻部品の追加販売が開始された

 まず、TOYOTA GAZOO Racingが展開しているGRヘリテージパーツプロジェクトについてふれておきたい。GRヘリテージパーツプロジェクトは「思い出の詰まった愛車に乗り続けたい」というユーザーの想いに応えるため、サプライヤーとの協力によって過去に販売し廃盤となったクルマの部品を復刻して再販売するというもの。

 トヨタ2000GTは200アイテム、A70型スープラは40アイテムが販売されている。そして、このプロジェクトにAE86型カローラレビン/スプリンタートレノが加わった。今回、再販売されるアイテムは左右のリアディスクブレーキシリンダーASSY(9万9000円)、左右のステアリングナックルアーム(1万6500円)の4アイテムとなっている。そして12月1日にリアドライブシャフトが発売予定となっている。

 トヨタ2000GTやスープラのようなピュアスポーツカーではなく、カローラ/スプリンターの派生モデルであるレビン/トレノがなぜ約35年経った現在でも高い人気を誇っているのだろうか。

AE86レビン/トレノとはどんなクルマだったのか?

名機と呼ばれる1.6LDOHC16バルブエンジンを搭載して、1983年5月に登場したAE86型スプリンタートレノ
名機と呼ばれる1.6LDOHC16バルブエンジンを搭載して、1983年5月に登場したAE86型スプリンタートレノ

 AE86/85型カローラレビン/スプリンタートレノは1983年5月に登場。カローラ/スプリンターのセダン系モデルの駆動方式がFFへと変更されたが、スポーティモデルのカローラレビン/スプリンタートレノの駆動方式はFRだった。同じ世代でのモデルでも駆動方式が異なることになった。

 カローラレビン/スプリンタートレノは2ドアクーペと3ドアハッチバックという2つのボディバリエーションを設定。固定型のヘッドライトを採用したレビンには、冷却水の温度を感知して自動開閉するエアロダイナミックグリルを採用。

 いっぽうのトレノは全グレードにリトラクタブルヘッドライトを採用し、ノーズの低いスポーティなスタイルとなっている。サスペンション形式はフロントがストラット式、リアはラテラルロッド付4リンク式で先代のTE71型からの流用となっている。

 搭載するエンジンは最高出力130ps(グロス値)を発生する4AG型1.6L直列4気筒DOHC。そして最高出力83ps(グロス値)を発生する3A-U型1.5L直列4気筒SOHCエンジンの2種類。

 いわゆる、ハチロクは4A-Gを搭載したグレードのGT-APEXと2ドアのGT、3ドアのGTVを指し、ハチゴーのレビンは2ドアのGL、ライム、3ドアのSR。トレノはXL、XLリセ、SRの各グレードを示す。1.6L車のトランスミッションは当初は5速MTのみで、車両重量は1000kgという軽さが武器だった。

 2021年で51歳となった筆者だが、まだ免許証を持っていない高校生の頃から中古車雑誌とチューニング雑誌を購入し、授業中にこのクルマを買ってこんな風にイジろうかと悪友と妄想する日々を過ごしていた。まだ高校生だった筆者にもカローラレビン/スプリンタートレノがFRからFFへと駆動方式が変わることは衝撃的なニュースだった。

 その後、後継車のAE92レビン/トレノが登場したときが、一度目のAE86ブームの到来となる。当時AE86は割安な価格で中古車が手に入れられたため、チューニング雑誌では同じ1.6L直列4気筒エンジンを搭載したレビン/トレノとワンダーシビックSiの対決特集が組まれた。特にAE86レビン/トレノは関東エリアで人気が高く、シビックは関西での人気が高かった。

 当時は赤/黒ツートンのカローラレビンの人気が高く、白/黒ツートンのスプリンタートレノは人気薄だったのだ。そして、ドリキンこと土屋圭市氏の存在は大きい。峠で腕を磨き、プロドライバーとしてAE86でサーキットを疾走。現在でもレビン/トレノを所有している。

 さらにAE86人気に拍車を掛けたのが、1995年に白/黒ツートンのスプリンタートレノが主人公の愛車というクルマが主役の漫画が始まる。ご存じのとおり、「頭文字(イニシャル)D」だ。この漫画の影響は絶大で、それまでの人気が一転。白/黒ツートンのトレノの人気が急上昇。

 当時はAE86専門店が存在し、トレノはほとんどが白/黒ツートンに塗装されるほどだった。漫画の影響があったとはいえ、何故ここまでAE86型レビン/トレノが愛され続けるのか。

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