2021年8月1日、TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は、「GRヘリテージパーツプロジェクト」の一環として、1960~84年に生産されていた40 系ランドクルーザーの補給部品の復刻生産をすることを発表した。
この日はちょうど、トヨタランドクルーザーの生誕 70 周年にあたる日でもあり、その生誕を祝うように、本プロジェクトが発表となった。2022年の初めごろを念頭に、準備の整ったパーツから順次発売してく予定だという。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA
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世界中で必要とされているランクル
トヨタ「ランドクルーザー(以下ランクル)」は、1951年8月に試作車「トヨタジープBJ型」が完成して以来、世界170ヶ国で販売されるグローバルカーであり、トヨタ車のなかで最も長い歴史を持つブランドだ。数ある日本車のなかでも、世界中でもっとも知名度が高いのは、このランクル、といっていいだろう。
ランクルは、「よく走る頑丈なクロカン」というキャラクタを活かし、おもに海外市場で売り上げを伸ばしてきたクルマで、なかでも中近東での需要が高く、年間の販売台数約38万台のうち、3割以上となる約13万台が中近東で売れている。2019年の8月には、シリーズのグローバル累計販売台数で1000万台を突破するという快挙を達成している。
ランクルの需要が高い中近東といえば、砂漠地帯の多い地域。現地の富裕層の若者は、砂漠で、このランクルやレクサスLX、日産サファリ、ポルシェカイエン、といったクルマをぶっ飛ばし乗り比べる、という遊びをするそうだ。なんとも豪快で羨ましい遊びだ。
また、ランクルは、観光にも使われている。中東経済の中心都市、ドバイでは、「デザートサファリ」と呼ばれる、砂漠地帯をクルマで豪快に走り回る、というツアーが人気。タイヤが砂の中に沈んで走れなくなってしまわないよう、タイヤの空気を抜き、砂丘の山をぐいぐいと、まるでジェットコースターのように走る。ランクルのようなクルマでしかできない観光だ。
もちろん、こうした使い方だけでなく、その走破力と耐久性を活かし、病院まで数百キロある荒れた道のりを走破して病人やケガ人を輸送したり、災害地へ出向いて救命活動に従事する、といった使われ方もしている。移動できないことで生死に関わる地域にとって、ランクルはまさに「命綱」なのだ。
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