■運転席に座れば、自分のデスクで移動をしているような感覚へ
プロボックスは、クルマという移動手段だけを担う存在ではない。その車内はプチオフィスそのものだ。
インパネトレイにはA4サイズのバインダーを収納でき、カップホルダーは1Lの紙パックを置くことにも対応している。インパネテーブルは耐荷重が10kg、A4ノートPCも余裕で置ける仕様だ。運転席に座れば、オフィスの座席ごと移動しているような感覚になれる。
積載能力は言うまでもなく高い。A4コピー用紙箱なら86箱、1,800mm×900mmのコンパネも平積み可能だ。仕事道具も商品も余裕で積み込むことができる。
クルマの作りはシンプルで頑丈だ。ライトバン特有のフワフワ、ヒョコヒョコした乗り味は無く、長距離ドライブでも快適に運転できる。クルマとしての質の高さも、プロボックスが営業マンから職人まで、幅広く支持される理由の一つになるだろう。
■かつての名仕様から考える、プロボックスの今後
2002年に登場したプロボックスは、来年7月には誕生20周年を迎える。現在のガソリン・ハイブリッド体制も見事な仕様だが、過去にも魅力的なモデルがあった。
初代モデルに用意された、1.4L直噴ディーゼルターボの1ND-TV型エンジンを搭載したディーゼルモデルだ。このディーゼルエンジンは、当時欧州で販売されていた、ヤリスやヤリスヴァーソ(ファンカーゴ)に搭載されていたものを、国内の排ガス基準に対応させたものである。
当時ディーゼルは、日本国内では人気が無かった。環境に悪いというイメージが先行し、ディーゼル車への風当たりが強かった時代だ。しかし、欧州は当時からディーゼル関して先進的な地域であり、その欧州で鍛えられたディーゼルエンジンが、国内導入された価値は非常に高かった。
結局、登場から5年後の2007年にディーゼルモデルは廃止されたが、このモデルに対する根強いファンは多い。
国内でのディーゼルエンジンに対するイメージは、この20年で大きく変化し、昔ほどの抵抗感はない。乗用車にもディーゼルエンジンが一般的となり、人気を博している今、プロボックスにもディーゼルを復活させてほしいものだ。
モデルサイクルとしては、次期改良がフルモデルチェンジとなる可能性は高い。時期としては約2年後か。日本の商業を支えるプロボックスが、今後どのような変化を遂げていくのか、注目していきたい。
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