インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤーと聞いても、日本人にはあまり馴染みがないかもしれないが、これは1977年に英国のトラックマガジン編集長であるパット・ケネット氏とジャーナリストによって創設された栄誉ある賞だ。
現在は欧州各国のトラックマガジンの代表者24名と、中国、インド、イラン、南アフリカ、オーストラリア、ブラジル、そして日本の賛助員7名で構成されている。
ちなみに日本の代表誌はトラックマガジン「フルロード」、賛助員は多賀まりお氏が務めている。その「インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー2022」を獲得したのはオランダのダフだった。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、多賀まりお
写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
IToY2022の栄冠は、ダフの「ニュージェネレーションXF、XG、XG+」に!
欧州の主要商用車雑誌24誌の編集長とジャーナリストが選出するインターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー(IToY)は、2022年の受賞者にダフの「ニュージェネレーションXF、XGおよびXG+」を選出。権威ある同賞はフランス・リヨンで開催されているソルトラン商用車&架装メーカーショーのプレスデイでダフの代表者であるハリー・ウォルタース氏に手渡された。
ダフの新世代長距離輸送用大型トラックは、先ごろ発表されたイヴェコの大型特装系モデル「Tウェイ・コンストラクション・シリーズ」、メルセデス・ベンツのバッテリー駆動大型トラック「eアクトロス」(第2世代)を抑え、150票を獲得しての受賞となった。
IToYは過去12カ月以内に発表され、輸送効率の向上に最も寄与するトラックに贈られる。選考委員は技術革新、快適性、安全性、操縦安定性、燃料経済性、環境への影響評価、そして生涯総コスト(TCO)といった複数の基準に対して審査を行なう。
ダフの新型はこのほど施行されたEUの寸法制限の新規定をいち早く導入することで空力性能、燃費効率、予防/衝突安全性、そしてドライバーの快適性を画期的に向上させたモデルである。
広範囲な試乗テストで実車を評価
先ごろスペインと中央ヨーロッパで行なわれた広範囲な試乗テストにおいて、選考委員は新型のキャブが持つ大型で部を湾曲させたウインドスクリーンやベルトラインの低いサイドウィンドウ、助手席側ドアに設けられた側面確認窓などによる優れた直接視界とともに、従来のバックミラーに代わるデジタルビジョンシステム、コーナービュー・カメラによる死角のない視認性を高く評価した。
また、ITоY選考委員たちはパッカーMX-11型およびMX‐13型をベースにTraXon自動変速機を組み合わせた新開発の高効率パワートレーンについて、エコロール機能を拡大させた予測制御機能付きクルーズコントロールの先進性を称賛した。
IToYの議長を務めるジャネンリコ・グリフィニは「ダフが導入した新型は先進大型トラックの新たなベンチマークとなるモデルであり、同時に新世代代替駆動システムのプラットフォームとしても完璧な存在だ」とコメントした。
2022トラック・イノベーション・アワードもダフの「XFハイドロジェン」に!
いっぽう2022トラック・イノベーション・アワードは、水素燃焼エンジンを搭載したダフのプロトタイプ大型トラック「XFハイドロジェン」が受賞。
トラック・イノベーション・アワードは自動車分野に於ける技術的変革とエネルギーの偏移に関する成果に対し、欧州の主要商用車雑誌を代表する編集者とジャーナリストで構成されるIToYから贈られる賞典である。 今回ダフXFハイドロジェンは92票を獲得し、同賞を争ったメルセデス・ベンツの燃料電池式長距離トラック「GenH2」を下す結果となった。
IToYの審査委員は同プロトタイプの特徴である、機械との情報伝達(ヒューマン・マシン・インターフェース=HMI)のしやすさ、また途切れのない加速感を高く評価した。
このHMIはすでに将来のゼロ・エミッション・パワートレーンを対象にしてデザインされたダフの新世代レンジのシステムにほど近い内容である。また、二酸化炭素排出ゼロを達成した内燃機関の力強さは高い優位性を持つもので、IToYの委員たちはダフが示すエネルギー代替を推進する革新的なアプローチを称賛した。
水素燃焼エンジン技術は確立された技術とサプライチェーンを活かすために重要な役割をたす。バッテリー電動駆動(BEV)や燃料電池(FCEV)とともに将来のパワートレーンの一役を担うことが期待されている。
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