スズキ新型SUV「S-CROSS」への期待と秘かに進むHV戦略の行方

欧州の香りがするスタイリング

 新型S-CROSSのボディサイズは、全長4300mm×全幅1785mm×全高1585mm。先代と比較して、20mmほどワイドとなった以外は、ほぼキープしてきた。ホイールベースは2600mmだ。エンジンは1.4Lの直噴ターボエンジン、欧州仕様車は、全車48Vマイルドハイブリッドとなっている。

 エクステリアは、どことなく欧州の香りがする仕上がりだ。バッヂを隠して「プジョーかシトロエンの新型SUV」と言われれば、信じてしまうかもしれない。昨今の流行を取り入れた、ボンネット前端が高いボクシーなSUVスタイルで、これまた流行の大開口サンルーフも採用している。フロントの大型グリルや3灯式のLEDポジションランプも高い位置に配置したことで、フロントノーズの威圧感が出ている。

 インテリアには、インパネ中央に9インチサイズの大型HDディスプレイオーディオを搭載。スマートフォンとの連携のほか、車両情報の表示、カメラ映像の表示、といった運転支援機能も備えた。

 もちろん、先進運転支援技術(衝突被害軽減ブレーキ、標識認識機能、車線逸脱抑制機能、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール、全方位モニターなど)も採用しており、安全機能にも抜かりはない。

世界初公開の新型S-CROSS。1.4リッター直噴ターボエンジンの最高出力は95kW/5500rpm(モーター:10.0kW)、最大トルクは235Nm/2000-3000rpm(モーター:50Nm)というスペックで、現時点はマイルドハイブリッドのみとなる
世界初公開の新型S-CROSS。1.4リッター直噴ターボエンジンの最高出力は95kW/5500rpm(モーター:10.0kW)、最大トルクは235Nm/2000-3000rpm(モーター:50Nm)というスペックで、現時点はマイルドハイブリッドのみとなる

軽量なスズキ車は、これまではマイルドハイブリッドで十分だった

 冒頭で触れたように、スズキは、2022年からストロングハイブリッドモデルのラインアップを強化するという。これまでも「欧州市場では全車ハイブリッドを達成」としていたスズキだが、その多くがマイルドハイブリッドであり、国内市場でもストロングハイブリッドを搭載するのは、スイフトハイブリッドSZのみだ。

 ただ、スズキのクルマは、コンパクトかつ軽量につくられているため、コストアップかつ重量が増えるストロングハイブリッドがなくとも戦えるほど、燃費性能に優れていた。

 しかしながら、更なるCO2排出削減目標に向けては、重量やコストを増大してでも、特に欧州仕向けについては、ストロングハイブリッドを導入せざるを得ないところまできており、そこに対応させるため、このタイミングでストロングハイブリッドの強化に踏み切った、ということだろう。

 ストロングハイブリッドのシステムは、駆動用モーターとオートギヤシフトを組み合わせた、スズキ独自の新型システムになるとのこと。ダイハツの「eスマートHYBRID」と同様の、シリーズ方式ハイブリッドとなるのか、トヨタのTHSの改良版となるのか、現時点詳細はわかっていないが、ストロングハイブリッドでも、日本を代表するスズキの技術力をみせてくれることを期待している。

【画像ギャラリー】日本ではイマイチも、欧州では好評!! 新型S-CROSSと、その先代モデル「SX4 S-CROSS」(23枚)画像ギャラリー

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