慣れてるからこそ慢心も!! 初心忘れるべからずのスノードライビング心得

■スタッドレスタイヤの空気圧は特別? 平地と高地で異なる事情

 スタッドレスタイヤの空気圧について質問を受けることがありますが、これは規定値で問題ありません。昔はオフロードタイヤで、泥のなかを走る時は空気圧を下げるといったことが行われたことがありますが、現代のタイヤは空気圧は既定値で使うことを前提に設計されています。

 空気圧はクルマの重量と速度に関係しますので、重量(乗車人数)や速度による指定がある場合には、それらにしたがって合わせます。

スタッドレスタイヤの空気圧は既定値に調整する。ただし、気圧によるタイヤ空気圧の変化には気をつけよう(naka@AdobeStock)
スタッドレスタイヤの空気圧は既定値に調整する。ただし、気圧によるタイヤ空気圧の変化には気をつけよう(naka@AdobeStock)

 気をつけたいのが、気温と気圧によるタイヤ空気圧の変化です。気温が下がるとタイヤ空気圧は下がります、一方で標高が上がると気圧が下がります。気温の高い地域の高速道路走行直後に合わせた空気圧で、気温の低い場所に行き、一晩駐車した状態での空気圧は大きく違いが出ます。

 また、標高が高いと周囲の気圧が下がるので、タイヤ内部の空気圧が上がります。高い山などに行くとポテトチップスの袋がパンパンにふくれると同じ現象です。不安感がある時は、空気圧を調整することをおすすめします。

■慣れても陥ることのあるスタック どう脱出るべきか!?

 スタックした際、そこから脱出するにはいくつかのポイントがあります。まず、ステアリングを切らないことです。路肩に突っ込んでスタックした時に車道に真っ直ぐに戻りたいからといって、ステアリングを切ってはいけません。ステアリングを切ると抵抗が増えてしまうので、まずは直進状態で脱出することを目指します。

 前進と後退を繰り返して、だんだんその移動距離を長くしていって最終的には脱出というシナリオです。後方に脱出する場合、だんだんとタイヤの後ろ側に雪が溜まっていきますから、その雪を人力で除去しながら行うことで効率をアップできます。

 グリップしないタイヤを助けるためにタイヤと雪(氷)の間に何かを挟むという方法もあります。市販されているスロープなどを駆動輪の脱出したい方向に挟み込んで、スロープに乗っかって脱出するという方法です。スロープでなくても毛布などを挟み込んでも効果があります。何もない時はフロアマットを使うという手もありますが、フロアマットが傷むことは否めません。

 布製チェーンも効果があります。布製チェーンはタイヤに被せた後にタイヤを空転させると自然とタイヤに巻き付いていきます。スロープは車載時にジャマになりがちですが、布製チェーンはあまりスペースを取らずに搭載することができます。

 クルマの駆動力に頼らない脱出方法もあります。もし人出があるなら、人力でクルマを押して脱出する方法です。前後にクルマを揺らしながら脱出したい方向に一気にクルマを押しだします。また、ほかのクルマでけん引する方法もあります。

 ほかのクルマでけん引してもらう時は、両車が一直線上に位置するようにして引っ張るのが基本です。角度がついているとけん引ロープを引っかけた部分が曲がることがあります。どちらの方法でもドライバーが乗ってエンジンが始動していることが大切で、脱出後にはブレーキを踏んでクルマを停止させる必要があります。

スタックした場所によっては後続車に多大な影響を及ぼしてしまうので無理は禁物。非降雪地域のドライバーがやりがちな、夏タイヤでの走行はもってのほかだ(Rico Lob@AdobeStock)
スタックした場所によっては後続車に多大な影響を及ぼしてしまうので無理は禁物。非降雪地域のドライバーがやりがちな、夏タイヤでの走行はもってのほかだ(Rico Lob@AdobeStock)

 雪道の苦手意識を克服するにはなんといっても経験を積むことです。雪道ドライブを意識したドライビングスクールなどに参加することもひとつの手ですが、自分で走りに行くのもひとつの手。スタックした時の装備を持って、助けてくれる仲間と一緒に迷惑が掛からないような場所に走りに行くのが一番です。ドライ路面でも最初は不安で、それを克服するために走りに行ったはずです。雪道だってそのプロセスは何もかわりません。

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