■欧州車に勝っている装備は日本車特有の美点なのか!?
革張りに見間違えそうになるダッシュボード
ヨーロッパの高級車を中心に革張りダッシュボードが採用されていることが多い。
高級感はあるものの、直射日光や紫外線によって劣化するし、爪などで引っ掻けば傷がつく。つまりコンディションを維持するには「気を遣う」のだ。
最近は日本車でもレザー調のダッシュボードを採用するクルマが増えてきた。現行ハリアーは「厚革を曲げてできる自然なシルエットをイメージし触り心地にもこだわったレザー調素材」がうたい文句である。
フェイクレザーといえばそれまでだが、そのこだわりはもはや執念の域にあるといえる。
日本の創作技術が創り出す「木目調」のパネル
なんだ木目「調」なのかと思うなかれ。たとえばこちらのアルファードエグゼクティブラウンジに設定されているオリーブ・アッシュバール木目調は「パネル下地の金属調反射層の光輝感と、3Dプリント技術による本物の立体の陰影で表現」しているという。
本木目パネルは経年劣化ともにひび割れたり、表面の傷が目立つようになる。維持が圧倒的にラクであり、経年劣化や傷にも強い。
あらゆるドリンク類をカバーする秀逸なカップホルダー
いまやポルシェ911ですらカップホルダーが標準装備される時代となった。方やスポーツモデルゆえに一概には比較できないが、500mlのペットボトルホルダーからスターバックスのトールサイズ、マクドナルドのドリンク類もカバー。
そのキャパシティーの広さや配置場所をはじめとする使い勝手にいたるまで。おおむね日本車の圧勝といえるのではないか。まさに「かゆいところに手が届く」配慮がなされている日本車の美点のひとつといえる。
あらゆる用途をカバーできる多彩なシートアレンジ
多彩なシートアレンジの恩恵を受けるのは主に子育て世代かもしれない。子どもの成長に伴い、載せるものが異なってくる。ベビーカーやチャイルドシートにはじまり、三輪車や補助輪付きの自転車などなど・・・。しかもその多くが予想外にスペースを食うのだ。
そして、自分や相手の両親が同乗することもあるだろう。フルフラットシートにしてマットを敷けば家族で車中泊もできそうだ。
あらゆる使い勝手を想定しつつ、女性が使うことも想定されたサードシートの格納のしやすさを含め、このあたりの配慮も日本車の美点といえるだろう。
■番外編:かゆいところに手が届くおもてなし装備
クラウンオーナーにはお馴染みの電動スウィングレジスター
1983年にデビューしたクラウンに採用されているので、オーナーにとってはお馴染みの装備かもしれない。しかし、初めて乗る人はおそらく感動したであろう「電動スウィングレジスター」。
家庭用エアコンのように、吹き出し口のスウィングが電動で動く機能だ。
ゆるゆるとオートでスウィングする光景は、まさに日本の伝統芸能に通じるわびさびすら感じさせるほどのなめらかな動きも美点といえる。スイッチをオンにすることで作動する機能なので、この種の装備や動作が好みでないユーザーへの配慮も完璧だ。
まさかそこまでおもてなし!? センチュリーの靴ベラ差し
数ある日本車のなかでも、靴ベラ差しが用意されているのはセンチュリーくらいだろう。左右センターピラー下部に設置されていて、思ったより見た目もスマートだ。
後席に座るVIPに「靴を脱いでリラックスしてください」という心憎い配慮ゆえの装備といえる。
それ自体は間違いなくかゆいところに手が届くおもてなし装備といえるが、靴を脱いだVIPの足の臭いが車内に充満することになるのだろうか・・・。ドライバーはやめてくれとは決していえないし、トヨタもなかなか罪な装備を作ったものだ。
雨の日は置き場に困るけれど、これなら安心のアンブレラホルダー
まさに知る人ぞ知る装備だが、ロールスロイスのリアドアには専用の傘が仕込まれており、ワンプッシュで引き出すことができる。世界に誇る名車ならではのかゆいところに手が届くおもてなし装備といえるだろう。
実はワゴンRにも・・・といいたいところだが、さすがにそこまでドアの厚みがない。その代わり(?)に左右ドアパネルに傘を固定できるスペースが用意されている。しかも水滴が車外に落ちる形状になっており、濡れたままの傘でも安心して置くことできる親切設計なのだ!
コメント
コメントの使い方