■新型含め歴代ランクルは「購入後1年間転売禁止」
現行ランドクルーザー300が発売された当初、トヨタはランクル300を扱うトヨタ系列店に対して「成約したユーザーに対しては購入後1年以内に転売しないように証約書を書いてもらってほしい。」と依頼している。これはどういうことか。
購入後他に業者が転売すれば、購入時の価格より高く売れて商売になり、これが悪い慣習を生みかねないとの配慮によるものだった。こうした事象は歴代モデルでもあった。
業者がランドクルーザーをまとめ買いして、輸出業者に転売する。海外などで売りさばけば購入時の2倍以上で売れるので、商売になるからだ。
海外で売られ、故障などのトラブルがあれば、メーカーのトヨタは対応できず、企業や商品のイメージダウンにつながりかねないとの判断もある。
■販売店はなぜ受注活動を続けているのか ユーザーはなぜキャンセルしないのか
多数のバックオーダーを抱えているのに増産対応ができない現状なのにトヨタ販売店はなぜ受注活動を続けているのか。
コロナ禍が収束し、半導体を中心とした部品の供給が整えば増産が可能になる。それがいつになるかはっきりしないので、とりあえず受注活動を続け、ユーザーに待ってもらうスタンスなのである。
販売店にとっては成約してもナンバーを取得して納車をしないと代金を徴収できない。そうなるとメーカーへの仕入れ金が払えないので困ることになる。
ただ、このあたりは販売店各社にとってはいろいろな対応があるようだ。基本的には成約し、ナンバーを取得して納車しないと代金は徴収できない。
ところが、なかには成約した段階で100万円程度を前受け金で徴収し、キャンセルが発生しないような縛りをかけるケースもある。
ランドクルーザー300クラスのユーザーは多くが年収2000万円以上の高額所得者であり、複数のクルマを所有しているので、納車待ちはあまり苦になっていないのが現状である。
■プラドは通例ならランクルの1年後。今回はどうなる?
さて、これまでトヨタは歴代ランドクルーザーの新型車の投入から約1年後に弟分のランドクルーザープラドのフルモデルチェンジを実施してきた。
この慣習を今回も引き継ぐとすれば、次期型ランドクルーザープラドは今秋の発売ということになる。ランクル300の納期が4年以上だと、次期型プラドの投入スケジュールはどうなってしまうのだろうか。
首都圏にあるトヨタ販売店筋によると、「今年のトヨタのニューモデル販売計画は夏から年末にかけてシエンタ、クラウン、プリウス3車種のフルモデルチェンジのみでランドクルーザープラドの一新は聞いていない。ランクル300の納期遅れがあるので、重なってしまうので2023年以降に先送りされていると思われる。」(※証言:首都圏トヨタ店営業担当者)と打ち明ける。
同モデルの開発プロジェクトは動いているので、ランクル300の納期短縮にめどがついたタイミングを見計らって投入することになりそうである。
ランドクルーザー300の納期が4年以上と大幅に遅れているのは、販売店にとっては困ったことだが、引っ張りだこの人気ぶりはありがたいことだ。
受注を継続しているのは、増産対応をどうするかトヨタが常に検討しているからだ。それだけお客さんとの商談機会が増え、ほかのモデルを薦めるきっかけにもなる。
今のところ歴代ランドクルーザーからの代替え希望がほとんどだ。車検の時期が来れば、受けてから待ってくれるケースが多い。複数保有ユーザーがほとんどで待ってくれている。希望グレードはGRスポーツかZXの上級グレードで占められており、ガソリン車が大半でディーゼル希望者は少ない。
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