■独特なデザインと構造も原因となっている可能性
JPNタクシーのボディ形状と構造が影響している可能性も高い。JPNタクシーは全長4400×全幅1695mmとコンパクトだが、全高は1750mmもある。
しかもリアのホイールアーチ後端までルーフが伸びて、そこから急角度でバンパーへと斜めに落ちるデザインで、ボディ形状からすれば重心が高く、リア荷重も多めとなるシルエットだ。
ハイブリッドのバッテリーは車体のほぼ中央フロアパネルの下にマウントされており、低重心化に寄与しているだろうが、PHEVやEVほど大容量ではないため効果は限定的だ。
そして高いルーフがリアのオーバーハング部分まで伸び、LPGのタンクがリアシートの後ろにマウントされていることが重心を高めてしまっている可能性が高い。
後席に乗客が乗った場合、その重量のほとんどはリアタイヤに掛かることなり、トランクに手荷物を載せたり、燃料のLPGを充填すればリアサスペンションは沈み込む。
それによってフロントタイヤに掛かっていた荷重もリアタイヤに移動するためフロントサスペンションは伸びることでヘッドライトの光軸は上昇してしまうことになる。
これではカットラインの意味がなくなり、光軸がヘッドライトの高さより上に向ってしまうことになってしまうのだ。車検を取得する際には後席に乗員はおらず荷物もない。燃料も満タンにしている可能性は低いだろう。その状態でヘッドライトの光軸は定められているハズだ。
だが前述のとおりヘッドライトには光軸を調整するレベライザーが備わっている。これは国際的な保安基準で装備が義務化されているものでもある。JPNタクシーの場合、上級グレードの匠にはオートレベライザーが備わっている(ベースグレードの和は手動式)。
オートレベライザーが装備されていれば対向車や先行車のドライバーは眩しさから開放される、と考えるのは早計だ。
前述のとおり後席に乗客が乗車したり、たくさんの手荷物を積んだり燃料を満タンにしてリア荷重が増えれば、レベライザーが光軸を調整してくれても、僅かな勾配や走行中に前後の荷重移動が起こるたびにヘッドライトの配光はチラチラと揺れて、周囲のドライバーの視界は幻惑されることになる。
これがJPNタクシーのヘッドライトの眩しさの原因であろう。できれば今後のマイナーチェンジでこの配光特性を改善してもらえると、周囲のドライバーは眩しさから開放されて、快適に走れるようになるハズだ。
なのでトヨタだけでなく、LEDヘッドライトを採用している自動車メーカーには、さらなる熟成をお願いしたいところだ。
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コメント
コメントの使い方最近のLEDヘッドライトが眩しくて夜の運転を控えるようになりました
特に雨の日の夜間など乱反射して
交差点付近の中央分離帯や路肩の障害物、
歩行者までも見えづらく対向車には迷惑でしかなくこのことにより接触事故など起きてるんじゃないですかね
自分の周りも(50代ですが)やはり眩しいと言っている者が多いです
天下のトヨタが気づかないのかなぁ
この問題に触れている記事等もっと増えた欲しいです
メーカ車種に関わらず、最近の車(特にLEDライト車)のまぶしさは酷すぎると感じます。特に交差点や踏切で傾斜がある所での停車時の対向車。メーカーは持ち主目線でのデザインや明るさを狙って設計・販売しているのでしょうが、近頃のオラオラ顔デザインに加えて眩しすぎるライトにより、周りの人への車の威圧感が増えていると感じます。あおり運転ニュースが増えている原因の一因となっているのではと思っています。
JPN タクシーは本当に迷惑で、スカッとした良い記事でした。 最近のトヨタ車は対外情報発信にデザイナーが凝りすぎています。下部にあって交差点で直後の車に見えない方向指示器、点点灯のブレーキライト、眩しさ満載のJPN TAXIなどなど。 つけばいいんだろ、俺は天下のトヨタ という車が多いです。
17年購入の新車、ロービームの角度はちょうどいい感じでした。
車検の時期、予備車検で光軸を上に調整されました。それで、車検光軸OK。
乗ってみると、上こそ向ていないものの、ほぼ水平。壁に向かって照らして前後すると、やっと少し下向いているかな。と分かる程度。
こんな調整で車検OKだから眩しいのでは?
基準などの詳細記事、お願いできると嬉しいです。