アルトといえば軽のベーシックとして定番だが、その一方で「いちばんの安モノなんでしょ?」みたいな評価をされがち。
まぁ、確かにそりゃそうなんだけど、世代を経るごとにクルマとしての基本性能は高まっていて、法規制によって衝突安全装備などの標準化が進んだ今日、いまやアルトは「お値段以上ニトリ」みたいなクルマというのがその実態。安いけれども、断じて「安モノ」ではない。
新型からエンジンはNAのみとなり、アルトワークスみたいなスポーツグレードはカタログから落ちたが、乗ってみるとベーシックモデルの底上げは顕著。
今回の試乗では東関道の120km/h区間を走ったのだが、NAの軽自動車が120km/hで楽々高速を巡航できて、助手席の乗員と普通に会話できるというのはちょっと感動。カーボンニュートラルがやかましい昨今、内燃機関でもこんなにCO2をセーブできるというお手本といえるね。
(TEXT/鈴木直也)
■Part04 軽スポーツの未来はどうなる!?
2002年に衝撃的デビューを果たし、2014年にはその血統を受け継ぐ二代目が登場したコペン。軽自動車の自主規制ギリギリの64psをキッチリ引き出す0.6L直3ターボエンジンを搭載、5MT(CVTも設定あり)を介して前輪を駆動する。
車重は5MT仕様なら850kg、CVT仕様なら870kgといずれも800kg台だ。少ない馬力だけど軽いボディでグングン走る……まさに、現代日本が誇る軽ライトウェイトスポーツに相応しい一台だ。
そんな注目株な軽スポーツのコペンだが、実は年間販売台数は決して多くない。昨年の軽自動車販売台数の統計を見ると、コペンの販売台数はなんとわずか3454台。惜しくも昨年に受注が終了してしまったS660と比較しても、750台の差をつけられ後塵を拝する結果。2台とも2シーターだし……ね。
S660もミドシップレイアウトを採用し『かつてのビートの再来』とも言われた人気車種だ。そんな好敵手が生産終了となった今、軽スポーツ前線はいまやコペンだけである。
このまま日本軽スポーツは終わってしまうのだろうか?
しかしここで簡単に引き下がるコペンではない。通常グレードでも可愛くて楽しいコペンだが、よりスポーティなGR SPORTグレードを2019年に追加。フロントにLSDを標準装備し、より走る楽しさを追求しているのだ。
昨今脱炭素などの課題でスポーツカーの肩身が狭い世の中では確かにあるが、それでも軽スポーツという日本独自のカルチャーを途絶えさせるのはもったいない。コペンの孤軍奮闘を応援するとともに、新たなライバルが登場する日を願ってやまない。
(TEXT/ベストカー編集部)
■Part05 今年登場の日産&三菱 軽EVの期待度は!?
日産と三菱の二人三脚で開発し、本年発売予定と、いよいよ登場まで秒読みとなってきた軽EVだが、今年の軽自動車界に新たな旋風を呼び起こす注目の一台と言っても過言ではないだろう。
去る1月14〜16日の3日間で開催された東京オートサロンにて、三菱ブースにはその注目の軽EVが展示されていたが、コンセプトカーということで詳細スペックは残念ながら非公表。
しかし、三菱はこのクルマについて「運転しやすい軽の魅力と滑らかで力強い加速と静かなEVの魅力に、先進の運転支援などを追加した新世代の軽EV」と説明している。EVなら国の補助金も大いに期待できるので、価格次第ではライバルを大きく引き離す1台となるかも!?
(TEXT/ベストカー編集部)
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