N-BOXほか売上独占4台 アトレー&ハイゼットにFMCのアルト… 最新軽自動車徹底チェック!

アトレー&ハイゼット大人気!! アルトもFMC!!! 最新軽自動車徹底チェック

021年の年間販売台数を見てみると、ホンダN-BOXが18万8939台で2位のスズキスペーシアの12万8880台を約6万台引き離し、圧倒的人気を誇っている。

 続いて3位がダイハ ツタント、4位が日産ルークス…と、上位をスーパーハイト系が独占している。そう、軽人気の中心は、全高1700mm超のスーパーハイトモデルなのだ。

 今回は、しのぎを削る現行モデル4台、そしてピカピカの新型スズキ アルトの試乗、アトレー&ハイゼット大人気の理由の考察などを通して、そんな最新軽自動車の世界を覗いてみたい。「軽スポーツの未来はどうなる!?」も掲載!!!

■Part01 販売TOP4のスーパーハイトをチェック!(鈴木直也)
■Part02 アトレー&ハイゼット大人気の理由(渡辺陽一郎)
■Part03 軽自動車の「新スタンダード」だ!! 最新アルト乗って納得!(渡辺陽一郎)
■Part04 軽スポーツの未来はどうなる!?(ベストカー編集部)
■Part05 今年登場の日産&三菱 軽EVの期待度は!?(ベストカー編集部)


※本稿は2022年2月のものです
文/鈴木直也、渡辺陽一郎、ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2022年3月10日号

【画像ギャラリー】変わらぬ人気のスーパーハイトに魅力的なニューモデルも続々登場!!! 最新軽自動車の世界をギャラリーでチェック!!(73枚)画像ギャラリー

■Part01 販売TOP4のスーパーハイトをチェック!

今や軽自動車の販売の中心はスーパーハイト系が上位を占めている。走りもいいぞ!!

 どんなジャンルでもそうだけど、競争の激しい市場には必然的にイイ商品が集まる。その典型例が今回比較テストした軽スーパーハイトワゴン市場だ。

 今回この4台(N-BOX、スペーシアギア、タント、eKクロススペース/ルークス)を試乗して、ぼくは「これぞ激選区ならではの大豊作!」と大いに感動した。

 まずN-BOXだが、このクルマのすごさは全方位にわたって総合力が高いことだ。

 たとえば、自動車ジャーナリストがN-BOXを試乗すれば、評価アンテナが最初に反応するのは質の高い走り。

 ぼくだったら「エンジンはNAでも期待以上にトルクフル」とか「骨格のしっかりしたボディが軽としてはかなり上質な乗り心地を提供してくれる」とか書くでしょう。

 ただ、そりゃまぁ事実なんだけれども、それはN-BOXの魅力の一部でしかない。乗り手がたとえば子育て中のお母さんだったりしたら、ワンタッチでほぼフラットになる荷室が、ベビーカーや子供用自転車の収納に便利と感じるかもしれない。

 もっと細かいデザインや、ひょっとして小物入れが自分のセンスにマッチして「カワイイ!」と思ったのがN-BOX購入のキッカケになったりするかもしれない。

 そういう評価は十人十色で定量化しにくいものなんだけど、サンプル数を何千何万と大きくしてゆくと、最後はN-BOXがじわじわーと浮上してくる。

 このへんは「総合力」という漠然とした言葉でしかいい表せないのがもどかしいんだけど、やっぱりN-BOXは多くのユーザーにまんべんなく好かれる「好感度の高いクルマ」という印象が強いのだ。

 そんななか、今回ぼくが気づいたのは、「他のライバルと乗り比べると、N-BOXの室内はいちばん家庭のリビングっぽいなぁ」という感覚だ。

 これは、4台をイッキ乗りしたことではじめて発見したコトなんだけど、ファミリー層にはこういった部分も受けているのかもしれないなぁ、と思った次第であります。

 売台数2位でN-BOXを追いかけるスペーシアは、今回取材に持ってきたのがスペーシアギアターボだったこともあって、ファミリーというよりはSUV感覚。アウトドアなど、遊びに使い倒したら面白いだろうなというキャラクターだ。

 ターボだからトルクの余裕はNAの比ではなく、踏めば強力にダッシュして高速クルーズも余裕。まぁ、そのぶん価格は高いんだけど、軽ハイトワゴンで走りを極めたいなら、「カスタム系」の派生モデルとしてこういうクルマも面白い。

 ただ、やっぱりハイトワゴンの王道は子育て世代のファミリーカーだから、ノーマルのスペーシアギアで仮想対N-BOX戦略を想定すると、全体にちょっとずつ負けてるイメージがあるんだよねぇ。

 パワートレーンにはベルト駆動オルタネータのマイルドHV、それと軽量プラットフォームの『ハーテクト』もいいのだが、全体の完成度がちょっとだけN-BOXに及ばない。

 個人的にはスズキのほうがホンダよりコストにシビアなぶん、製品の「イイもの感」が少し薄いという印象。

 昔は「一にも二にも価格」だったけれど、イイものが欲しいというユーザーが増えたことがN-BOXの追い風になっているような気がしてならない。

 販売3位のタントは本来このジャンルの創始車なんだが、最近ちょっと元気がないのが不思議。とくに、2代目以降のタントは左側ドアをピラーレス化して、他車がぜったい真似できない利便性を提供している。ここはもうちょっと受けてもイイと思うのだけどキラーコンテンツになり切れない。

 走りに関しては、試乗車がNA仕様だったこともあり、まぁ「可もなし不可もなし」といったレベル。動力分割機構付きCVTとかダイハツらしいユニークな技術が投入されているのだけど、体感性能で「こりゃイイ!」となるにはいま一歩。

 今回のマイチェンで全速度対応ACCが設定されるなど、中身はじわじわよくなっているんだけど、初期の出遅れが響いたという感じでしょうか。

 最後、日産三菱の共同開発になるeKクロススペース/ルークスは、じつは「隠れた名車」といってイイくらい出来がいい。先代モデルが不評だったため、いい印象を持っていない人もいるかもしれないが、エンジンパワートレーンは平均以上だし、シャシー性能の上質さは軽の中でもトップクラスといっていい実力だ。

 足りないのはたぶん開発陣のしつこさで、インテリアのデザインや利便性など、センスはいいのだがアッサリ感が強い。N-BOXブランドを確立したホンダはそれでいいと思うが、今の日産三菱の立場ではスズキ/ダイハツみたいに泥臭いユーザーニーズの掘り起こしが必要なんじゃないですかねぇ。

(TEXT/鈴木直也)

■Part02 アトレー&ハイゼット大人気の理由

 発売後1か月の時点で、ハイゼットカーゴは月販目標の2.3倍となる1万3000台、アトレーは8倍の8000台を受注した。販売店に納期を尋ねると「販売が好調で、納期はアトレーが5カ月、ハイゼットカーゴは4カ月」という。好調に売れる理由を尋ねると、以下のように説明された。

 「コロナ禍の影響もあり、オートキャンプや車中泊など、クルマを使ってアウトドアライフを楽しむお客様が増えた。CMの効果も大きく、上級シリーズのアトレーでは、お客様の約50%がレジャーに使う。

 タントやムーヴから、アトレーに乗り換えるお客様もいる。残りの50%は仕事用だが、レジャーとの兼用も多く、多目的に使われる。一方、ハイゼットカーゴは、仕事に使うお客様が中心だ」。

 アトレーのCMコピーは「第三の居場所」で、広い車内を趣味の空間やリモートワークの仕事場に使うことを提案している。新発想ではないが、アトレーに乗り換えると適度な出費で生活が楽しくなる気分にさせる。

 またダイハツは軽の販売1位メーカーだが、乗用車の販売台数はスズキよりも少ない。よって商用車で売れ行きを伸ばす必要があり、アトレーやハイゼットの販売にも力を入れている。

 先代アトレーが5ナンバー規格のワゴンだったのに、新型が4ナンバーの商用車に変更された理由も同じだ。

 開発者は「先代型はワゴンだったが、90%のお客様は、後席を畳んで荷室にしていた。アトレーに重い荷物を積みたいニーズも多く、4ナンバー車にして350kgの最大積載量を表示した」という。

 商用車を新たなウリにしているわけだ。

(TEXT/渡辺陽一郎)

■Part03 軽自動車の「新スタンダード」だ!! 最新アルト乗って納得!

新型アルトはシンプルながらスタンダードとしての要件をしっかりと満たしている

 アルトといえば軽のベーシックとして定番だが、その一方で「いちばんの安モノなんでしょ?」みたいな評価をされがち。

 まぁ、確かにそりゃそうなんだけど、世代を経るごとにクルマとしての基本性能は高まっていて、法規制によって衝突安全装備などの標準化が進んだ今日、いまやアルトは「お値段以上ニトリ」みたいなクルマというのがその実態。安いけれども、断じて「安モノ」ではない。

 新型からエンジンはNAのみとなり、アルトワークスみたいなスポーツグレードはカタログから落ちたが、乗ってみるとベーシックモデルの底上げは顕著。

 今回の試乗では東関道の120km/h区間を走ったのだが、NAの軽自動車が120km/hで楽々高速を巡航できて、助手席の乗員と普通に会話できるというのはちょっと感動。カーボンニュートラルがやかましい昨今、内燃機関でもこんなにCO2をセーブできるというお手本といえるね。

(TEXT/鈴木直也)

■Part04 軽スポーツの未来はどうなる!?

セロ、ローブ、エクスプレイや走り志向のGRスポーツとメンツは充分。頑張れコペン!

 2002年に衝撃的デビューを果たし、2014年にはその血統を受け継ぐ二代目が登場したコペン。軽自動車の自主規制ギリギリの64psをキッチリ引き出す0.6L直3ターボエンジンを搭載、5MT(CVTも設定あり)を介して前輪を駆動する。

 車重は5MT仕様なら850kg、CVT仕様なら870kgといずれも800kg台だ。少ない馬力だけど軽いボディでグングン走る……まさに、現代日本が誇る軽ライトウェイトスポーツに相応しい一台だ。

 そんな注目株な軽スポーツのコペンだが、実は年間販売台数は決して多くない。昨年の軽自動車販売台数の統計を見ると、コペンの販売台数はなんとわずか3454台。惜しくも昨年に受注が終了してしまったS660と比較しても、750台の差をつけられ後塵を拝する結果。2台とも2シーターだし……ね。

 S660もミドシップレイアウトを採用し『かつてのビートの再来』とも言われた人気車種だ。そんな好敵手が生産終了となった今、軽スポーツ前線はいまやコペンだけである。

 このまま日本軽スポーツは終わってしまうのだろうか?

 しかしここで簡単に引き下がるコペンではない。通常グレードでも可愛くて楽しいコペンだが、よりスポーティなGR SPORTグレードを2019年に追加。フロントにLSDを標準装備し、より走る楽しさを追求しているのだ。

 昨今脱炭素などの課題でスポーツカーの肩身が狭い世の中では確かにあるが、それでも軽スポーツという日本独自のカルチャーを途絶えさせるのはもったいない。コペンの孤軍奮闘を応援するとともに、新たなライバルが登場する日を願ってやまない。

(TEXT/ベストカー編集部)

■Part05 今年登場の日産&三菱 軽EVの期待度は!?