■スズキバレーノ 2018年6月販売台数 49台
49台って……。もうアキバの地下アイドルのチケット売り上げのような数字だ。いやしかし、地下アイドルがいつか東京ドームのライブを夢見て頑張るように、バレーノもスズキがコンパクトクラスに送り込んだチャレンジングな1台なのだ!
どこがチャレンジングか。まずスズキは、第2の本拠地ともいえるインドで生産を行い、それを逆輸入するというスタイルをとった。
さらにフィットやノートといったライバルよりも車高を低めてスタイリッシュさを実現するいっぽう、全長、全幅は拡大して、居住性を確保した。
結果、アクティブ志向のスイフトやイグニスとは一線を画す、個性的なルックスのコンパクトカーが誕生した。
実際、グリルの小さいフロントマスクなんか、どこか2代目ランチア・デルタにも通じるラテンの風を感じるじゃないか!
「みんな乗ってるコンパクトカーなんて乗りたくない」
そう考える個性派ユーザーには、ぜひともバレーノをおすすめしたい。優雅なプロポーション、ゴルフバッグも詰める広い荷室。欧州車の気分でドライブできる異色のモデルだ。がんばれ!
■スバルBRZ 2018年6月販売台数 113台
くー、日本に残る貴重なミドルクラスFRスポーツカーがこの数字。なんとか3ケタに踏みとどまってもらいたい。
BRZはご存知の通り、スバルがトヨタと共同開発した小型FRスポーツであり、トヨタ86の兄弟車だ。
デビューは2012年だからすでに6年が経過しているが、毎年コツコツと年次改良を行い、完成度を高めてきた。
昨年10月には満を持して最上級グレードSTI Sportを投入し、その熟成極まった走り味は、BRZの偉大な到達点として大いに評価されたものだ。
BRZのライバルだが、兄弟分の86を除けばマツダ・ロードスターくらいしか存在しない。ところがこちらも6月の販売台数は45台と大低迷! うーんホイホイ売れてくSUVが恨めしいのう。
しかしちょっと待て。
BRZのこの台数にはちょっと理由があるのだ。実はBRZの現行モデル(F型)はすでに生産が終了しており、現在は各ディーラーが在庫を売っている状態。ユーザーが好きなボディカラーやオプションが選べないので、販売も奮わないというわけだ。
まもなく年次改良されたG型の生産が始まるはずだから、販売もちょっと上向くはず。コンパクトFRの火よ、消えるな!
■レクサスRC 2018年6月販売台数 84台
かっこいいと思うんだけどなあRC。日本車のクーペとしちゃあすごくがんばってる。ちょっと前までスーパーGTも戦ってたし、2ケタの販売台数ってのは悲しい。
そんなレクサスRCは、2010年に生産を終えたSC(かつてのソアラ)の後継モデルとして、2014年に登場したFR2ドアクーペだ。2.5L、直4ハイブリッドと3.5L、V6という2グレード構成だが、その上に5L・V8を積む「RC F」
というスペシャルモデルも存在する。
今年2月には、この「F」という呼称(レクサスの高性能モデルを表す)の誕生10周年を記念した限定車「F 10th Anniversary」も発売され、完売している。
500~600万円台のパーソナルクーペなので、日本車にはライバルが存在せず、手ごわい欧州車と闘わなければならないのがRCの辛いところ。
メルセデスのCクラスクーペやBMW4シリーズ、アウディA5あたりが完全にかぶってしまうのだ。
しかし昨年には、世界各地のレースを戦うGT3マシンも完成し、あちこちで善戦しているニュースも伝わってきている。こうした話題を武器にして、セールス面でももう少し熱い戦いを見せてもらいたい。
「売れていても、売れていなくても、多くの選択肢がある」ということは、その市場に力があるということ。ラインアップの豊富さは、そのまま日本の経済力を示すことになる。
さらにいえば、クルマにはいつまでも「個性」を求めてもらいたい。
だからこそ、売れてるクルマにも、売れないクルマにも、愛と関心をよろしくお願いいたします!!
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