自転車死亡事故は自転車の約8割に違反あり!! ドラレコ普及で実態が明らかに

■自転車死亡事故で自転車側の違犯は8割!

 実際、自転車で違反をする人の多くは自動車の免許を持っていないか、持っていてもペーパードライバー歴が長く道交法を知らず、安全運転の意識も低い人たちだと思われる。なお自転車は道交法においては「軽車両」となるので、当然、道交法を知っておくべきなのだが……。恐らく、自転車にも適用される「危険行為」などほとんどの自転車利用者が知らないのではないだろうか。

警察庁交通局「令和3年における交通事故の発生状況等について」より引用
警察庁交通局「令和3年における交通事故の発生状況等について」より引用

 自転車の違法行為の取り締まりは、現状、あまりにも多すぎて不可能に近い。自転車の交通違反は道路交通法で刑事罰も規定されているが、歩行者にぶつかって死なせるなど、よほどの重大事故じゃない限り起訴されるのは非常にまれだからである。

 自転車が関係する事故で自転車側も違反している割合はどれくらいあるのかご存知だろうか。筆者も数年前にその割合の高さを知って驚いたのだが、今年(2022年)3月3日に発表された「令和3年の交通事故統計」においては、自転車死亡事故で自転車側にも違犯がある割合はなんと8割近い。令和3年の1年間、全国で自転車乗車中の事故で死亡した人は359名で、そのうち273名に何らかの交通ルール違反があったことが分かっている。

 マナーが悪く、交通ルール無視の自転車が増えたと日々感じていたが、このような無法自転車が死亡事故の原因の8割を作っていたことになる。交通ルールを守っていれば死亡者が出る事故にはならなかったケースも多数あっただろう。自らの違法行為によって亡くなった人が273名もいたことになる。

 年齢層別法令違反別の死者数データにも注目したい。令和3年の自転車死亡事故において、65歳以上と65歳未満で比べてみると、違反ありの割合は65歳以上で「77.4%」、65歳未満だと「73%」となる。

 65歳以上の違犯割合は年々増えている。高齢者人口が増えているのだから当然と言えば当然の結果と言えるが、65歳以上の死亡者の場合、「一時停止違反」や「安全運転義務違反」が多いことが分かる。 とくに、安全運転義務違反の中の「操作不適」の割合は65歳未満に比べて4.8ポイント高い。操作不適とは、出合頭の事故などで、とっさに自転車のハンドル操作やブレーキ操作を行うことが遅い、適切な操作ができなかったことを意味している。

警察庁交通局「令和3年における交通事故の発生状況等について」より引用
警察庁交通局「令和3年における交通事故の発生状況等について」より引用

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