【復活祈願】 気になる7つのギモン 「今」のホンダのなぜ? を解く

【ギモン04】 なぜクラリティ フューエルセルは一般販売しないのか?

 現状、法人向けフリート販売しかしていないが、クラリティフューエルセルはあくまでリースであってホンダ自らが目にとまるところに置いておけるのがねらい。何かあった時に回収できるし、一般販売までいっていないのは信頼性を担保できないからだ。

 ダイハツが先代ムーヴカスタムRSに、レーザーレーダー方式の衝突被害軽減ブレーキを含むセットオプション価格を30万円で設定していた。これも現在のクラリティフューエルセルが一般販売しないのと同じように、わざと買いにくい状況にしていた。

 水素ステーションの整備も遅々として進まないが、「これなら大丈夫」といった状況になってはじめて一般販売が始まるだろう。

(渡辺陽一郎)

クラリティフューエルセル。量産型のセダン型燃料電池自動車。

【ギモン05】 なぜ軽自動車で他社と一緒に組まないのか?

 なんたってホンダは“アライアンス嫌い”で知られるメーカー。それはもう創業者、本田宗一郎イズムがホンダの企業DNAとして身に染みついていることが背景にあると思う。もし他社とのアライアンスのことで宗一郎さんが生きていたら、「自分でなんとかせい!」と必ず言うはずだ。

 現状、ホンダが自動車他社と提携しているのは、燃料電池システムを生産する合弁会社を設立したGMのみ。今なお、アライアンスへのアレルギー反応があるのは過去にローバーとの提携で手痛い目に遭ったことがあるんじゃないかな(※1979年にホンダはBLローバーに救済出資を行ったが、1994年に突如BMWがローバーグループを買収し、ホンダとの提携は解消された)。

 やはりホンダの軽戦略としては正攻法。初代N-BOX開発主査だった浅木さんのように、乾坤一擲(けんこんいってき)のリスキーな開発投資を成功させた人こそが王道だと思う。

(鈴木直也)

【ギモン06】 なぜN-BOXは格上のフィットを喰ったのか?

 初代モデルもそうだったが、「実用性をねらったサプライズ」というのはユーザーに対するインパクトが強く、それゆえ初代N-BOXは大ヒットモデルとなった。

 ホンダとしてはユーザーにシビックを買ってもらいたいところだろうが、現在は主婦の免許保有率が比較的低かった1970年代と違い、現在の男性の免許保有率がその頃から2倍増だったのに対し、女性は4倍にまで激増している。

 財布のひもを握る主婦は家計を守る“仕事”の一環としてクルマを買い、クルマが趣味の領域となる男性とはまったく違う。軽で充分な使い勝手があるのなら、税金の高い登録車は必要としない。クルマの白モノ家電化が進んだ結果と言える。

(渡辺陽一郎)

【ギモン07】 なぜホンダは「軽とミニバン」のメーカーになったか?

 国内マーケットでホンダの企業規模だと中途半端になるのかもしれないね。グローバルの各マーケットでベストな商品を投入しているというけど、国内市場でホンダが注力しているのは軽とミニバンだけというのは周知の事実。

 でも、もっと規模の小さいスバルとマツダになると、ホンダのように作り分けができない。すでに両社とも軽の自社開発はやめているしね。でも、スバルもマツダも独自の商品展開でクルマ好きを惹き付けるブランドとして成功をおさめ、成果を残している。

 先代の伊東社長の時は車種の拡大路線を目指して失敗した部分もあるけど、スバルとマツダにできてホンダにできないとは思えない。日本市場向けのクルマ好きが喜ぶ車種をホンダもやってくださいよって感じかな。

(鈴木直也)


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