■スパーダプレミアムラインはオデッセイの代わりなれるのか?
多方面から「ステップワゴンではオデッセイの代わりはつとまらない」という声が聞こえてくるが、完成度の高いプレミアムラインではどうだろう。
先代までのステップワゴンとオデッセイを比べると、室内空間の広さや質感はステップワゴンが見劣りする。
しかし、筆者は新型のプレミアムラインであれば、オデッセイの代わりになることはできると思う。その理由は2つだ。
1つ目は、ステップワゴンのボディサイズがアップした点にある。現行ステップワゴンと5代目オデッセイを比べると、全長が95mm、全幅125mm、オデッセイが大きい。
しかし、新型ステップワゴンでは、その差は全長が25mm、全幅で70mmとサイズ差が縮まった。さらに全高では145mmステップワゴンが上回るため、車格の見劣り感は少なくなっている。
2つ目は、2列目シートの機能性と快適性の向上だ。初採用されたオットマンや2列目シートヒーターが備わることで、機能性もさることながら、インテリアの「格」をあげることに成功している。
また、シートアレンジは小さな子供がいる家族にも優しい設計だ。
2列目シートはロングスライドだけでなく、左右にスライドできることで2列目と運転席がグッと近づけられる。運転中でも2列目に手が届くので、後席に赤ちゃんを乗せていても安心だ。
筆者は販売店勤務時代、ミニバンユーザーから「小さな子供がいるとキャプテンシートではお世話がしづらい」といった悩みを多く聞いてきた。
この点を新型ステップワゴンでは、2列目シートを中央に寄せ、ベンチシートのように使えるようにして改善している。
また、車酔いしにくいクルマに設計されたことも好印象である。2列目、3列目と後方に行くほど座席が高くなり、ヘッドレストの形状が見直された。
3列目から前方を見ると、シートバック上端の高さと、サイドウィンドウ下端の高さが合っており、水平を意識できる。不要な視界の揺れを軽減でき、クルマ酔いを防ぎながら、開放感ある車内を演出した。
しかし、懸念されるポイントがいくつかある。最も気になるのは価格だ。プレミアムラインハイブリッドの価格は、オデッセイのアブソルートEXと同クラスとなっている。
オデッセイにはジェスチャーコントロール、ハンズフリーパワーゲート、予約ロックなどの便利な装備を搭載していた。こうした装備が、新型ステップワゴンプレミアムラインには用意されていない。
さらにインテリアの質感でもオデッセイの方が上質感は高く、オデッセイユーザーから見ると、ステップワゴンのプレミアムラインは、今一歩感が否めないのだ。
とはいえ、オデッセイと比較できるほどにステップワゴンは進化した。ファミリーユーザーが喜ぶ装備はオデッセイ以上に備わっている。
ユーザーの世代によっては、オデッセイ以上の価値を、ステップワゴンプレミアムラインで感じられるのではないだろうか。
■ホンダ営業マンに聞いた!「ガソリン1.5Lターボかハイブリッド、どちらが買いか?」
新型ステップワゴンは爆発的なヒットをした初代、2代目に似ている。ファミリーユースの目線に立ち返り、素敵な空間を作り出した、まさに原点回帰のクルマだ。
広々とした室内空間に、先進の快適な装備が搭載され、新しさは十分に感じられるだろう。加えて、どこか懐かしい感じもするステップワゴンからは、流行の「エモさ」も伝わってくる。
さて、スパーダプレミアムラインには、パワートレインが2種類ある。ガソリン車かハイブリッドか、悩むユーザーが多いのではないだろうか。そこで、選択の実情を、ホンダディーラーで聞いてみた。
結論からいくと、「プレミアムラインを選ぶなら迷わずハイブリッド」だそうだ。一体なぜなのだろうか。
価格差は、約40万円あるが、e:HEVの動力性能、そして静粛性は、プレミアムラインの魅力をさらに高める。静かさと滑らかさが加わるだけで、ワンクラス上のラージサイズプレミアムミニバンのような雰囲気を感じられるというのだ。
リセールバリューの高さもポイントの一つ。プレミアムラインでは、e:HEVの選択をおすすめする。
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