「煽り運転は絶対ダメ」というのは大前提ですが、まだまだ高速道路での車間距離がとても短い!! と担当は思っております。
先日のお盆時期も前走車をあおっているわけではないのでしょうが、100km/h走行時での車間距離が40m程度のクルマが散見されました。
「えっ、40mも車間を空けたら充分じゃないの!?」と思ったあなた。実はそれ、とっても危険な車間距離なんです。
では安全に緊急回避をできる車間距離はいったいどれくらいなのでしょうか? 公的機関のデータを基に、現実も踏まえた安全な車間距離をまとめました。
文:永田恵一/写真:ベストカー編集部
※メイン画像はイメージです
■60km/hなら45m、100km/hなら100mが基本
2017年6月に東名高速下り線で起きた悲惨な事故や、この事故を教訓とした2017年12月からの取り締まりの強化が始まった。
その流れもあり2018年に入ってから後続車が先行車との車間距離を極端に詰めて走る、いわゆる煽り運転(正式には車間距離不保持)に対する注目がにわかに高まっている。
また煽り運転に対する注目の高まりは、ドライブレコーダーの普及によりテレビのニュースやYou Tubeで、実際の煽り運転の映像を見る機会が増えたことも追い風となっている。
煽り運転は先行車はもちろん、周りのクルマにとっても危険な行為だけに、厳禁なのは当然だ。しかしよく考えてみれば、煽り運転は煽る方にだって危険性がある。
もし先行車が腹を立て急ブレーキを踏んで追突したら? さらに被害が広がって多重玉突き事故になったら? 非常に危険なことをしているのだ。
まあそういったリスクが頭に浮かばないくらいイライラしたり、カッとなるから煽り運転の多くは起きるのだろうが……。
そんなことを書きながらふと気になるのが、「じゃあ適正な車間距離ってどのくらいなの?」という点だろう。
このことは多くのドライバーが、そもそも道路自体が交通量など一定でないだけに明確な基準や距離はないだろう。
そこで適正な車間距離を考えるために運転免許を取る時の教本に書いてある車間距離の取り方を引用する。
●制限速度60km/hまでの一般道 速度引く15ⅿ(60km/hで走行中なら45m)
●高速道路 走行中の速度と同じ距離(100km/hで走行中なら100m)
※ドライ路面の場合
この適正車間距離は走行中に停止までに必要な距離と、フルブレーキを踏むまでの空走時間を含めたもの。60km/h走行中なら44mほど、100km/h走行中なら100m強必要というのが根拠だ。
もっと短く停止できると思っている方も多いと思う。現実としてJNCAPのテストで100km/hから完全停止まで45m程度で止まれたという結果がある。
しかし100km/hで走っている時の秒速は約28m。たった2秒でも判断が遅れたら停止まで100mを超えてしまうのだ。
(編集部註:ブレーキの制動実験などは経験が豊富なテストドライバーが、後続車などのないコースで、あらかじめ心の準備をしてブレーキを踏んでいる。緊急時に落ち着いてその動作を再現できる一般ドライバーは少なく、実験データよりも制動距離は確実に伸びる。)
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