■理想的な安全距離と現実のギャップ
前述のように先行車との車間距離を取れれば理想的ではある。しかし物事は何事も”理想と現実”がある。
実際にこれだけの車間距離を取れるのは空いた深夜早朝の道くらいものだろう。もしこれだけの車間距離を取って通常の交通量のある道を走れば、現実的には割り込まれることもあるだろう。
それこそ煽り運転の範疇ではないにせよ後続車に車間距離を詰められ危ない思いをしたり、円滑な交通の流れを妨げることにもなる。
適正な車間距離に調べていて「なるほど」と感じたのが、欧米でよく使われている車間距離の取り方だ。
これは「何かを目印にして先行車の2秒後を自車が走る」というものだ。そもそも走行中の車間距離は高速道路のキロポスト看板でもない限り把握しにくい。
例えば先行車が交通情報の看板を通過した2秒後に自分が通過すると考えればいい。これであれば、60km/h走行中なら車間距離は33mと現実的な車間距離が取れる。
この方法はJAFでも余裕を持って2秒が数えられるよう「ゼロ、イチ、ニ」という測り方(実測で2.2秒から2.3秒)を推奨している。
この考えを高速道路で応用すると、可能なら「ゼロ、イチ、ニ、サン」で3秒間(実測3秒程度で、100km/h時なら車間約80m)。
ゆっくり目に「ゼロ、イチ、ニ」と数えて(実測2.5秒程度で、100km/h走行時なら車間70m近く)車間距離を取れればベターではないだろうか。
煽り運転や適性な車間距離について考えていると煽り運転は論外にせよ、周りから見ていて「それじゃあ車間距離を詰められても仕方ないだろう」というケースもある。
具体的には高速道路などの追い越し車線を流れを乱したペースで走り続ける、1車線の道であまりに遅いペースで走っているクルマだ。
高速道路では追い越し車線を走り続けるのは違反行為であり、身の安全を確保するためにも後ろから速いクルマが来たらすみやかに道を譲るのが鉄則だ。
いずれにしても日常生活と同じようにクルマも気分よく、相手に不快な思いをさせないようにそれなりに周りに気を使いながらスマートに運転したいものである。
それこそが技術面より大事な安全運転や事故防止の基盤なのではないだろうか。
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