アウトドアブームを追い風にキャンピングカーも注目されているが、なかでも人気なのは軽トラや軽バンをベースにしたいわゆる軽キャンだ。
コンパクトなサイズであり、価格も本格的なキャンピングカーよりも手頃とあって支持されているが、とくに車中泊をメインターゲットとしたライト仕様のバンコンモデルではエブリイをベースとしていることが多い。
ライバル車としてダイハツ・ハイゼットカーゴはフルモデルチェンジしたばかりだが、なぜスズキが強いのか!?
文:山本晋也/写真:スズキ・ダイハツ・WEDS・ベストカーWEB編集部
【画像ギャラリー】内装に注目!! 軽キャン市場でエブリイが強いワケがコレだ(13枚)画像ギャラリー■大人気の軽キャン!! 実は大きく2種類あった
「軽キャン」と呼ばれる軽自動車ベースのキャンピングカーが人気だ。就寝定員2名となることが多い軽キャンは、子離れ世代からヤングカップルまで幅広く支持されている。
軽キャンといっても、軽トラックをベースに荷台部分を完全に作り変えたキャブコン(キャブコンバージョン)と軽バン(1BOX)をベースに室内を作り込んだバンコン(バンコンバージョン)と大きく2タイプにわけることができる。
キャブコンのベース車を見てみると、スズキ・キャリイとダイハツ・ハイゼットトラックは拮抗している印象がある。どちらを選んでも使い勝手に大差ないともいえるし、ベース車の違いよりも居住スペースとなる架装部分の出来が重視されるため、ベース車の違いはそれほど重視されていないというのが実情だろう。
むしろキャブコンの場合は、各ビルダーにおいて年単位に伸びている納期のほうが課題となっている。
■バンコン市場はスズキの独壇場!? そのワケはわずかな荷室の差にあった
一方で、ベース車のボディはそのままに内装を作り込むバンコンにおいては、圧倒的にスズキ・エブリイが主役となっている。その理由はどこにあるのだろうか。
まず言えるのは、エブリイの優位性というよりライバルの敵失ともいえる状況だ。エブリイのライバルであるダイハツ・ハイゼットカーゴは、2021年12月にフルモデルチェンジするまで、17年間も基本的なボディが変わっていなかったという事実がある。
現行エブリイは2015年にフルモデルチェンジしている。つまり、2021年まではエブリイとハイゼットカーゴを比較すると、明らかにハイゼットカーゴが古く、エブリイ一択といえる状態だったのだ。
もちろんハイゼットカーゴについても、モデルライフが長くなる中で、インパネを一新したり、ステレオカメラを使った先進安全装備を備えたりするなどアップデートはしていたが、いかんせん軽バンの性能として重要なラゲッジスペースにおいて劣っていたのだ。
バンコンというのはボディには手を入れないタイプのキャンピングカーゆえに、ベース車のスペースユーティリティは絶対的な差となってしまうのだ。
具体的に、荷室サイズのスペックを比べてみよう。
現行エブリイ(後席格納時)
荷室長:1910mm
荷室床面長:1955mm
荷室高:1240mm
荷室幅:1385mm※4名乗車時
旧型ハイゼットカーゴ(後席格納時)
荷室長:1860mm
荷室床面長:1950mm
荷室高:1235mm
荷室幅:1375mm※4名乗車時
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