トヨタbZ4XがサブスクのKINTOで5月12日から展開されることが発表され、参考価格がFFで600万円、4WDで650万円になった。また、兄弟車のスバルソルテラは594万~682万円。すでに日産ARIYAは標準539万~、B9 e-4ORCE limited790万200円~でWeb受付中で、ヒョンデアイオニック5は479万~589万円だ。
今年2月のヒョンデアイオニック5試乗を皮切りに、bZ4Xとソルテラ、そして日産ARIYAと、主要日韓EVのSUVモデル4台すべてを試乗した国沢光宏氏。そこで、EVが現時点で日本に比べて普及している中国並みに日本でEVが普及する日は来るのか、またそのために必要なことについて国沢氏がレポートする。
文/国沢光宏、写真/奥隅圭之、佐藤正勝、平野 学、日産、ベストカーWeb編集部、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】2023年に今の3倍は厳しい!? 今、日本で販売されている日韓EVのSUV4台を写真でチェック!(47枚)画像ギャラリー■10年後のメインとなるであろうEVを見据え、直近では売れるのか?
『bZ4X/ソルテラ』、『ARIYA』、『アイオニック5』と、次世代を担う電気自動車がたくさんデビューしてきた。興味深いことにニッチなマーケットじゃなく、エンジン車からの代替を想定した「売れ筋ど真んなか」を狙っていること。だからこそアイオニック5はWCOTY(ワールドカーオブザイヤー)を受賞し、高く評価されたワケです。当然ながら我が国も10年先には電気自動車がメインとなる。果たして売れるだろうか?
まず、3モデルを紹介してみたい。bZ4Xは(以下ソルテラを含む)、2030年に250万台の電気自動車を販売するという目標を立てたトヨタの先鋒として登場した。プラットフォームはTNGA GA-Kをベースにした電気自動車版。大雑把に言えばハリアーの兄弟になる。したがってボンネットを開けるとガソリン車とソックリ。インテリアもセンターコンソールのあるエンジン車風。
走りはよく言えば「エンジン車から乗り替えても違和感なし」。電気自動車だとワクワクしながらハンドル握ると、少しばかり「華やかさ」に欠ける。トヨタ/スバル開発チームに聞くと、「普通に乗れるクルマが開発目標です」。豊田章男社長体勢になる前の80点主義だったトヨタ車を思い出した。とはいえボディ剛性高く、前後の重量バランスいいためキッチリ曲がるいいクルマです。
続いてワールドプレミアから2年半もかかって登場したARIYAながら、いまだに大容量電池モデルやAWDモデルは上市されず、秋まで標準電池のFFのみの販売になる。したがって絶対的な動力性能や、航続距離での「凄いですね!」についちゃなし。しかし、少しガッカリしながらハンドルを握ると「タイしたもんだ!」という評価に切り替わります。驚くほど静か&滑らかなのだ。
こう書くと電気自動車なんだから当たり前でしょ、と思うだろうけれど、圧倒的なスムーズさを出すのは駆動系の工作精度やモーターの巻き線技術、そして制御のノウハウを必要とする。登り坂でジワジワ走り出す時の微振動や、アクセル全閉から全開にした時のレスポンスが素晴らしい! まぁ違いのわかる人だけ驚くことですけど。インテリアもおカネがかかっており素敵!
最後に、アイオニック5は実車を見て/乗って「こりゃ凄い!」。クルマにウルサい欧州COTYの選考委員たちもそう思ったのだろう。アイオニック5が3位。兄弟車の起亜EV6が大賞を獲得した。電気自動車専用プラットフォームということもあり、足元はフラットで広々としており、開放感タップリ! ステアリングギアボックスからタイヤ選びまでお金をかけているのも欧州で評価された。
そして電気自動車としての華やかさを持つ。普通に走っていれば制御系はARIYAに肉薄するほど上質。乗り心地のよさを含めれば総合評価でARIYAを凌ぐ。それでいてAWDモデルは絶対的な動力性能で「凄いね!」。クルマ通でも驚く元気さを持ち、さらに後輪駆動ベースだからハンドリングはスポーティ。日本だとバイアスがかかる韓国車だということを忘れたら圧倒的な魅力度を持つ。
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