搭載性と運動性能、そしてCAFEで有利に
BEVにクロスオーバーSUVが多い理由は、バッテリーの搭載性に優れることと、SUVの性能との相性がいいことにあります。具体的には以下の通りです。
・スタイリングを崩すことなく床下にバッテリーを搭載可能
セダンやハッチバックに比べて、クロスオーバーSUVは車高と地上高が高いので、大容量のバッテリーを搭載しやすく、多少バッテリーによって床面がかさ上げされても、スタイリングへの影響が抑えられる
・低重心化によって従来SUVよりも安定した走りを実現
SUVは、もともと悪路や雪路なども走破するように設計されていますが、重いバッテリーが主にホイールベースの間の床下に搭載されることで、クルマの重心が車両中心に近づき、かつ下がるので、さらに走行性能・走破性が向上。また、エンジンよりもモーターの方が応答性に優れているので、4輪の駆動力をきめ細かく制御することも可能に
・CAFE規制の燃費向上に貢献
SUVは、車重が重く空気抵抗が比較的大きく燃費が悪いため、メーカー全体の燃費で規制するCAFE(企業別平均燃費基準)において、足を引っ張っている傾向。そうしたSUVをBEV化することで、マイナス要因を減らすことが可能
とはいえ、今後は、セダンやハッチバックでも
とはいえ、欧州を中心に、世界中でBEVへの転換が待ったなしとなった状況下では、全方位のBEV化が必要であり、コンパクトカーやハッチバック、セダン、ミニバンもBEV化しなければ、カーボンニュートラルを達成することはできず、世界が環境保全先進国に求められる水準を満たすことはできません。
SUVのBEV化が有利であることは確かですが、2010年に初代が登場したBEVの先駆者である日産リーフはハッチバック。現時点では、上記のような理由でSUVタイプのBEVが多いですが、BEV化で日本より先行している欧州メーカーは、クロスオーバーSUVだけでなく、すでにセダンやハッチバック、商用車など幅広くBEVを揃えており、今後リチウムイオン電池の高性能化と低コスト化が進めば、クロスオーバーSUVにこだわることなくBEV化が加速していくと思われます。
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