各メーカーが「エース」といえるような車種を送り込み、つばぜり合いを繰り広げているカテゴリーがある。
国内市場で堅実に需要が見込め、日本車、輸入車問わず魅力的なクルマたちがひしめくのがBセグメント、日本でいうところのコンパクトカーのカテゴリー(そもそも「セグメント」は欧州でのクルマの分類枠となる)だ。
国産ではアクアを筆頭にフィット、ノート、スイフト、デミオなどが揃い、パワートレーンだけでもガソリンにハイブリッド、クリーンディーゼルなどバラエティに富んでいて、選びがいがあるというもの。
輸入車も定番のBMW MINIやVWポロ、そしてセンスが光るシトロエンC3にルノールーテシアなど、個性派がズラリと並ぶ。
そこで本企画では、車両本体価格250万円以下のBセグ ハッチバックモデル 日欧対決をお届けしよう。選ぶなら国産、輸入車のどちらがいいのか!?
※本稿は2018年2月のものです
※記事中のポロSTIはこのあと2018年3月に新型が国内で発売開始となったため、旧世代のモデルとなります。
文:鈴木直也、ベストカー編集部/写真:平野 学、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2018年3月26日号
■走りの気持ちいいベストカー3台は?
Bセグハッチバックは国産、輸入車を問わず、魅力的なクルマの多い激戦区。競争の激しいところにダメグルマなしの法則どおり、ここはどれを選んでも間違いないくらい魅力的なタマが揃っている。
だから今回ピックアップした候補車11台、好みに応じて選ぶべしというのがボクの基本的なスタンス。アドバイスするとすれば「こういう好みの人はコレがお薦め」といったガイダンスにとどめたい。
では、まずベストカーらしくピリッと走りの気持ちいいクルマからいこう。今回の11車、あえてホットハッチ的なバリエーションをノミネートしていない。テーマは日常生活における走りが爽快なクルマ。ぼくのなかでワンツースリーはデミオXD、ノートe-POWER、ポロTSIだ。
■マツダ デミオ15XD ツーリングLパッケージ(205万7400円)
【SPEC】
全長4060×全幅1695×全高1525mm、ホイールベース:2570mm、直4、1.5L DOHCディーゼルターボ(105ps/22.4〜25.5kgm)、JC08モード燃費:22.8〜30.0km/L
【鈴木直也の評価】
・走りの楽しさ……5点
・コストパフォーマンスのよさ……4点
・乗り心地のよさ……4点
デミオは唯一のディーゼルとして、トルクの太さが圧倒的。25.5kgm(AT)というトルクはほかのガソリンエンジン(&ダウンサイズターボ)より2クラスくらい強力で、とにかくドライバビリティに余裕がある。トルクに余裕があるというのは、運動性能にマージンがあるということ。これが心地よくもあり、また安心感にもつながるのだ。
ノートe-POWERの気持ちよさも同じ。こちらも25.9kgmとさらに強力なうえ、電気モーターだからここぞという時のレスポンスも強烈。アクセルひとつで狙ったポジションにクルマをスッと持ってゆける機動力の高さは、よりパワフルなホットハッチ群を凌ぐレベルといっていい。
■日産 ノートe-POWER メダリスト(232万9560円)
【SPEC】
全長4100×全幅1695×全高1520mm、ホイールベース:2600mm、直3、1.2L DOHC+モーター(79ps/10.5kgm)、JC08モード燃費:34.0km/L
【鈴木直也の評価】
・走りの楽しさ……4点
・コストパフォーマンスのよさ……4点
・乗り心地のよさ……3点
この2車、長距離をこなすには燃費のことも考慮してデミオXD。街中主体ならワンペダルドライビングの面白さもあってノートe-POWER。得意分野がかぶっていないから、選択に迷わなくていい。
ポロTSIはきっちりと仕立てられた上質なシャシーに魅力のエッセンスがある。現行ポロはすでに新型が発表されて旧世代となっているが、それでもこの11車のなかで見るとシャシーの出来栄えはトップレベル。素直なハンドリングはどんな状況下でもコントローラブルだし、バネ上の動きを上手にダンピングしてしなやか感を演出する乗り心地品質も一級品。シャシーづくりではいまだこのクラスのベンチマークといっていい。
■フォルクスワーゲン ポロTSIコンフォートライン(226万9000円)
【SPEC】
全長3995×全幅1685×全高1460mm、ホイールベース:2470mm、直4、1.2L DOHCターボ(90ps/16.3kgm)、JC08モード燃費22.2km/L
【鈴木直也の評価】
・走りの楽しさ……4点
・コストパフォーマンスのよさ……5点
・乗り心地のよさ……4点
コメント
コメントの使い方