乗りバスや旅先でのモバイルルーター用
さて、WIFI設備のない高速バスとはいえ高速道路を走行する都市間高速バスでは山岳部の一部を除いて圏外はあまりない。鉄道もよほどのローカル線でない限りは電波はつかむ。
問題は長距離フェリーだ。衛星回線や地上基地局との通信を利用してWIFIを提供しているフェリーならばさほど問題はないが、設定航路は多くはないし、通信速度もお世辞にも速いとは言えない。
記者は多くの人が乗り換え先として選択しているであろうpovoを検討対象とした。プランを見るとトッピング方式だ。これは日本では珍しい方式だが海外では普通のことだ。
海外のプリペイドSIMはたいていこの形式で、日数単位や通信容量単位、あるいは特定アプリやサイトのみが無制限等のプランを多数用意してユーザーが必要に応じて選択する。
海外のプリペイド方式と決定的に違うのは、あらかじめ登録したクレジットカードに料金が請求されることだ。海外のプリペイド方式はコンビニや路上でプリペイドカードを購入してチャージし、通話料を含めてそこから差し引く方式だ。
povoはプリペイドではなくポストペイドなので当然と言えば当然だが、プリペイドライクな使用方法が選択できるのは日本では現状でpovoだけだ。海外で現地プリペイドSIMを利用したことのある方なら戸惑うことはないだろう。
新規契約を選択
記者は楽天モバイルの電話番号は他人に教えていないので電話番号を引き継ぐ必要はない。そこで楽天モバイル契約を保持したまま、新規でpovoを導入することにした。
持っている端末は楽天モバイルから1円で購入したRakutenMiniだ。eSIMのみの端末で、かつて黙って「バンド1」を非対応にして世間を騒がせたいわくつきのアレだ。
RakutenMiniはeSIMを複数入れることはできるが、排他利用なので同時利用はできない。どれか1つの回線を選択して使用することになる。とりあえず8月末までは楽天モバイルとpovoのデュアルeSIM運用にしておいて、使い分けをしながら通信回線の良否を確認すればよい。
RakutenMiniはバンド1が使えない端末だが、東京都内で試した限りはKDDIの回線で特に不都合はなかった。地方では事情は異なるので、再確認が必要そうだ。電波をつかみにくい山間部の高速道路や、都市間での鉄道でeSIMを切り替えて確認するのが得策だと考えた。
使用スタイルによるので正解はない
しつこいようだが、デュアルeSIMにしたのは楽天モバイル回線の電話番号を誰にも知らせておらず、後で解約して番号が消滅しても問題がないからで、今までの電話番号がなくなって困る場合は、電話番号引継ぎによる乗り換えを検討すべきだろう。
以上は記事執筆時点で記者が実際にやってた状況で、手続きの詳細(すべて端末上で完結する)は画像ギャラリーに掲載するので参考にしていただきたい。
今後はpovoに限らず他のキャリアもどんどん攻め込む可能性は十分に考えられる。実際に楽天モバイルに真っ向からぶつけるプランを発表したキャリアもある。
個人の使用スタイルで乗り換え・追加契約・継続等が決まるので、正しい答えはないのかもしれない。通話の頻度やネット通信料の多少に合わせて検討材料の一助になれば幸いである。
【画像ギャラリー】乗り換えか継続か追加か?8月末まではデュアル運用という選択!(22枚)画像ギャラリー
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