トヨタ豊田社長「後継者は?」という株式総会での質問に「技あり」回答!! あーびっくりした…


 2022年6月15日、愛知県豊田市のトヨタ本社にてトヨタ自動車の株主総会が開催されました。会議時間2時間のうち実に1時間半を占めた質疑応答のなかで、最後に「次の後継者は育っているか?」との質問が株主から飛びました。え…そ、そんな質問に答えるの? というか…決まってるんですか??

文/ベストカーWeb編集部、写真/三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY、TOYOTA、ベストカー編集部

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■国内企業初の偉業を成し遂げたトヨタと章男社長

 2009年6月、豊田章男氏が社長に就任した当時、その前年に発生したリーマンショックの影響を受けて、トヨタ自動車は戦後初となる赤字を計上した(2009年3月期に4369億円の最終赤字)。

 社長就任後初の記者会見の壇上で、章男社長は「税金を納めるという最低限の務めすら果たせず、本当に悔しい思いでいっぱいです。まさにどん底からのスタートとなります。」と語ったことを覚えている読者諸兄も多いだろう。

 章男社長の祖父であり、トヨタ自動車創業者である豊田喜一郎氏は、自動車事業に挑戦する際、「ただ自動車をつくるのではない。日本人の頭と腕で、日本に自動車工業をつくらねばならない。」と語っている。その想いを直接知る章男社長にとって、当時の胸中いかばかりか。

 あれから13年、今春発表されたトヨタ自動車の2022年3月期決算は、営業収益31兆3795億円、営業利益2兆9956億円を達成。この営業利益額は、長いトヨタ自動車の歴史のなかで過去最高であるだけでなく、国内企業初の偉業でもある。

 さらにいえば昨年(2021年)、トヨタの年間世界販売台数はトヨタブランドだけで823万台、レクサスを含めると951万台で、グループ全体の販売台数は1038万台を数え、2年連続で世界一位に輝いている。

 そんな快進撃を続ける豊田章男社長が、2022年6月15日に開催された株主総会で、「次の後継者は?」という質問を受けた。

■「トヨタはなんのために存在している会社なのか」

 この質問には前段がある。

 トヨタは2020年4月に副社長職を廃止して、経営陣を「執行役員」に一本化した。しかし今年(2022年)4月にその副社長職を復活。

 2022年6月27日時点では、近健太 Chief Financial Officer、前田昌彦 Chief Technology Officer、桑田正規 Chief Human Resources Officerの3名が副社長職についている。

 この役員人事を受けて、株主からの「この新任副社長3名が次の社長候補なのか」という質問であった。この質問に対して、株主総会議長である豊田社長は、ひとまず回答を「番頭」である小林耕士氏に指名。以下、小林氏の回答から抜粋する。

 「本当は豊田社長にずっと社長をやっていただきたいと思うのですが、限りがあります。

 社長は次世代に向けて、経営の仕組みづくり、人財育成をしてきました。なので、誰が後継者になろうと、おそらくうまく回ると私は信じています。

 では、それが誰なのかというと、社長は常々、3人の副社長、執行役員、幹部職、全社員37万人にいつでも出番があると言っています。ただひとつ、私(の出番)はもうないと思います(笑)。

 それでも、豊田社長がいなくなるわけではありません。その経営哲学・思想を受け継いだ人たちが頑張ると思います。引き続き、豊田章男、トヨタ自動車のファンになっていただき、末永くご支援いただきたいと思います。」

 上記発言を受けて、今年5月で66歳になった豊田社長は「番頭(小林耕士氏、73歳)、おやじ(河合満氏、74歳)、副会長(早川茂氏、68歳)、会長(内山田竹志氏、75歳)、この4人は後継者のリストからは外れています。せめて、後継者は若返りさせていただきたいと思います。」と語り、以下、さらに「次期社長人事」に関する自身の考えを述べた。

 「ひとつだけ後継者の条件を挙げれば、トヨタフィロソフィーやTPS(トヨタ生産方式)といった、トヨタの「思想」、「技」、「所作」を身につけている人。トヨタはなんのために存在している会社なのか、という軸をぶらさない人。

 振り返ると、私は誰からも望まれない社長として登場しました。次のバトンタッチこそは、みんなから望まれている社長になるよう、人選やタイミングを考えております。

 株主の皆様と一緒に後継者の発掘や育成を進めていきたいと思いますので、ご支援・応援をよろしくお願いします。」
(以上、株主総会での問答部分は『トヨタイムズ』より引用)

2018年10月に開催されたモーターフェスではデモカーのドライバーを務めたモリゾウ。その正体は…次のトヨタの社長もクルマ好きの人がいいですね

 具体的な名前が挙がらず、かといって挙がったら挙がったで日本中が大騒ぎになる質問を、(現時点での考えを踏まえて)柔らかく「いなした」ということのようだ。

 豊田社長は2018年5月から日本自動車工業会の会長を務めている。本来は1期2年で交代する自工会会長職だが、豊田社長は異例の3期を務め、2024年5月までの在任が決まっている。

  脱炭素、原油高、原材料高騰といった業界を揺るがず大嵐のなかで、日本自動車界を牽引する豊田社長。後継者を名指しするにはまだ早いだろう。

 とりあえず、2023年11月に予定されている東京モーターショー2023(仮)、期待しています。みんなで盛り上げましょう。

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