予防安全技術は過信しちゃダメ!
昨今のクルマに関する技術のなかで、特に進化が期待されているのが予防安全技術だ。先にあげたABSもそんな技術のひとつだが、他にはペダルの踏み間違いによる急発進を防ぐ誤発進制御や、前走車との距離を一定に保って走行するクルーズコントロール、他車や建物、人物への衝突を回避するための自動ブレーキシステムなどがあげられる。
すでに多くのクルマにこうした予防安全技術が用いられ、重大な事故を未然に防いでいるケースも多い。だからと言って、安全運転に気を配らなくていいということにはならない。
センサーで前方の状況を感知して自動ブレーキシステムが作動してくれれば、衝突を避けたり、事故の被害を軽微に抑えてくれたりする。しかし、予防安全技術はあくまでアシスト機能のひとつであり、重要なのは運転手が常に前後左右を意識して、必要に応じて速度調整やブレーキ操作を行うことだ。
予防安全技術はまだまだ発展途上にある技術と言える。もちろん十分な効果があると判断したからメーカーも市販車への採用に踏みきったのではあるが、機械である以上センサーが不調になるなどの可能性もある。だからこそ、予防安全技術に関する取説の記載をしっかり読み、どのように自分をサポートしてくれるのかを理解しておこう。
すえ切りはタイヤとエンジンの負担大
停車状態でハンドル操作を行うことを“すえ切り”と言う。軽自動車でも数百kg、普通車であれば1トンを超えるほどの車重が4本のタイヤに加わっているが、すえ切りを行うと、走行(回転)している時とは違ってタイヤの一カ所に大きな負担がかかってしまう。これがタイヤによいわけはなく、無理なすえ切りを行うと、タイヤの内部構造にダメージを与える可能性は高い。
かつてのクルマにはパワーステアリングが装備されていないこともあって、すえ切りをするにも腕力が必要だった。これが自然にすえ切りの防止にもつながっていたのだが、ほとんどのクルマにパワーステアリングが装備されている現在では、すえ切りの操作自体にそこまで大きな力はいらなくなっている。
だが、人間が操作するのに腕力が必要ということは、パワーステアリングに使われているモーターや、そこに動力を供給するエンジンに負荷が加わり、最終的に破損の要因になる可能性は否定できない。
つまり、どうしても必要な場合を除いてすえ切りは行わないほうがよいということだ。すえ切りに関する注意も多くの取説に書かれている。これもしっかりチェックしておけば、タイヤの寿命も延ばせるはずだ。
インテリジェントキーの取り扱いに気をつけよう
キーの操作を行うことなくドアロックを解錠&施錠でき、エンジンも簡単に始動可能なインテリジェントキーは、ロックし忘れなども防止できる便利なアイテムだ。だが、このインテリジェントキーにも意外な弱点があるのをご存じだろうか?
インテリジェントキーは、車体から発信されている電波をとらえるために常に受信体勢になっている。こうした理由により、近くに強力な電波発信源があると、機能が正常に作動しなくなる恐れがあるのだ。
具体的には近くに電波塔や放送局などのある環境で正常に作動しなくなることがあり、携帯電話と一緒にポケットに入れている時にその影響を受けるケースもある。こうした場合はトラディショナルなメカニカルキーを使ってドアの開錠やエンジン始動を行う必要がある。
また、常時電波を受信しているインテリジェントキーは、自宅でパソコンやテレビなどの近くに置いておくと、その電波によって内蔵の電池を大きく消耗することもある。電池は消耗品とはいえ、長く使えるに越したことはないので、自宅の保管場所にも気をつけよう。
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