最大で25%!? トランプ大統領の「輸入車課税」が日本に与える大打撃の可能性


■世界の自動車関税とアメリカの悩み

(TEXT/『ベストカー』編集部)

 先日の衝撃的な米朝会談といい、25%課税の話といい、なにかとお騒がせのトランプ大統領。中間選挙(2018年11月6日投票)のための人気とりか? という説もあるが、実際、クルマに対しての25%課税が発動すると、日本メーカーにとっても大打撃になること間違いなし。

ここはなんとか今までどおりの課税でいってもらいたいところだが、そもそも25%の課税は高いのか低いのか、ここからは課税について学んでみよう。

出典/ビジネスインサイダージャパン

クルマにかぎらず世界の国々は自国に輸入される製品には課税をする。その根本的な理由は自国の経済を守るため。

例えば海外で生産された安い商品と国内で生産された商品があるとする。消費者はどっちを買うかというと、安いほうを買いたいと思うもの。

もし海外の商品ばかりが売れると、儲かるのは海外の会社。それでは自国の産業が成り立たなくなる。

自国の産業が成り立たなくなると、国民の収入は減り、国自体が衰退してしまう。

こういった悪循環をなくすために輸入品に対しては課税をかけて消費のバランスが輸入品に偏らないようにしているわけだ。

出展/FTA、EPAの基礎知識・世界の自由貿易協定と経済連携協定

上の表を見てほしい。これは世界の自動車の関税をまとめたもの。クルマの排気量やガソリン車かディーゼル車か、乗車定員などで実は税率は細かく分かれているが、ここでは排気量1.8Lの乗用車の場合を例にしている。

日本の場合は0%、アメリカは2.5%だが、驚くことにインドは125%、エジプトはさらに高く135%の関税をかけている。なんでそんなに高いのかというと、これは自動車工場を誘致したいからだ。

自分の国に自動車工場ができると雇用も増え、経済が潤う。だからわざと関税率を高くして工場を作ってもらえるように誘致している。

いま話題になっているTPPはこういった関税を撤廃して製品の流れをよくしようというものだが、そこにはクルマも含まれる。だからトランプ大統領はTPPから離脱するために大統領令に署名した。

■トランプの怒りは中国へ向かう?

(TEXT/『ベストカー』編集部)

 上の表を見ると、実はトランプ大統領がぶち上げた25%関税はバカ高いものではないとわかるが、トランプ大統領の頭のなかは常にアメリカファースト。アメリカが抱える貿易不均衡問題をなんとか解決したいと思っている。

ところがアメリカ最大の貿易赤字国家は実は中国。下の表のとおり中国の貿易赤字は実に3672億ドル。2位のドイツ、3位の日本に大きく差をつけて1位である。

出典/ビジネスインサイダージャパン

だから対日の自動車輸入関税を25%にする前に、まずは中国対策が先ではないか、と普通は思うはず。そうですよね、トランプさん。そんなわけで米中はただいま輸入制限の叩き合いに発展しており、ほとんど貿易戦争といっていい様相を呈しているのは皆さまご案内のとおり。

もし日本と米国もあんなことになったら……と思うと、この原稿を書く手が震える。

ちなみに日本とアメリカの貿易の現状は、クルマに関しては部品も含めてアメリカへの輸出額のほうが多いが、農林水産物に関してはアメリカからの輸入額のほうがなんといっても多い(下の表参照)。

出典/ビジネスインサイダージャパン

もちろん国土の大きさが全然違うが、それでも日本の農業が衰退していくと危惧されるのも致し方ないところ。

実はいろんな要素が絡む関税問題はかなりややこしい。ベストカーwebとしては、とりあえず日本車に25%の課税はやめてくれ! それは日米お互いのためにならないんだ!! と声を大にしてトランプ大統領にいっておきたい。


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