■器具さえあれば自宅でもできる空気圧管理
スペアタイヤを搭載していないクルマにはパンク修理キットとして電動コンプレッサーを搭載していることが多いが、これを使ってタイヤに空気を入れ、タイヤゲージで正確に調整してやれば自宅でもタイヤ空気圧の管理ができる。
タイヤゲージはそれほど高いモノではない(1000円以内で買える)から、自分で選んで使いやすいモノを利用しよう。ポイントは、空気圧を測るだけでなく、高めの時には減圧できるバルブを備えているモノを選んだ方が使いやすい。
価格は安くても計測機械、精密さが追求されるものなので、タイヤゲージは大切に扱うことだ。落としたり、投げたりして衝撃を与えてしまわないように注意しよう。
計測の頻度は月に一度が理想的だが、通常であれば2ヵ月に一度でも問題はない。しかし特に外気温が低下していく時期には、タイヤ内部の空気の温度も低下していくから空気が抜ける分以上に空気圧が低下する。
季節の変わり目や冷え込んだ時などは自然と空気圧が低下するから空気圧をマメにチェックすることをオススメする。
空気圧が低いまま走行していると、一般道では鋭いギャップなどではタイヤが潰れすぎてバーストする可能性があり、高速道路では走行中のタイヤの変形(スタンディングウェーブ現象と呼ばれる)が大きくなり、発熱してバーストすることにつながる可能性が高まるので気を付けよう。
後から抜ける分を見込んで空気圧を少し高めにしておく、という方法を採るショップもあるが、その場合でも基準値の1割増し程度にしておくことだ。
あまり空気圧が高いとトレッドの中央が減りやすくなって偏摩耗したり、乗り心地が悪くなって足回りの寿命を縮めることにつながる。雨の日のタイヤのグリップレベルも低下するので、危険性も高まってしまう。
■空気圧だけでない、タイヤのチェック項目
タイヤの空気圧をチェックする時には、残り溝も確認しておきたい。4輪すべてを常にチェックする必要はなく、左右どちらかの前後タイヤを見て、それを交互に行なうように習慣づければいい。
スリップサイン(△のウェアインジケーター部分で溝が無くなってしまった状態)が出るまでタイヤは使える訳ではなく、その前に新品に交換したい。
FF車の場合は、フロントタイヤの方が早く減りやすいので、タイヤの装着位置を変えるローテーションを5,000kmまたは1年ごとに行なおう。
これによって4輪の摩耗具合が均一に近づき、タイヤを新品に交換する際に無駄なくタイヤを使い切れる。冬季はスタッドレスタイヤに履き替えるのであれば、夏タイヤに戻す時に同時にローテーションすると効率的だ。
それと時々はタイヤ表面にヒビ割れがないか目視で確認しておきたい。表面に細かいヒビが入った状態、それもトレッド面の溝などであれば、安全上の問題はないが深いヒビ割れは走行中にバーストする可能性が高まる。
タイヤはクルマを動かさない時間が長いと、むしろゴムは劣化していくので最低でも週に一度はクルマを走らせるようにしよう。
タイヤワックスは基本的には使う必要はない。というのもタイヤのゴム自体に劣化防止剤が入っていて、タイヤが運動することで自然に表面を保護するようになっている。
油性のタイヤワックスを塗ってしまうとタイヤ内部の劣化防止剤が溶け出して抜けてしまい、表面の劣化を進めてしまうことがある。なので、使うなら水性タイプを利用しよう。
タイヤに異物が刺さっていたら、除去するとパンクしてしまう可能性があるので、パンク修理できる環境で除去するようにしよう。ガソリンスタンドなどで行なってくれる、タイヤ表面からのパンク修理は応急修理なので、後でタイヤ専門店などでタイヤの内側からパッチを当てる修理をしてもらった方が安心だ。
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