先ごろ4月27日に特別仕様車S“TYPE GOLD III”を登場させたばかりだったが、3代目アルファードがオーダーストップになった。このまま注文を受け続けると、モデルチェンジ時期までに、現行型の生産が終えられないようだ。現状では1年以上ともいわれる長い新車納期が、ニューモデルの発表・発売にも影響している。
販売ランキングトップ5の常連となり、ラージサイズミニバンとして記録的な販売実績を残した3代目アルファード。実によくできたクルマだが、細かな部分には気になるところもある。
本稿では、3代目アルファードの良点、改善点をまとめながら、新型の4代目がどのように進化していくべきなのかを考えていきたい。
文/佐々木亘、写真/TOYOTA、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】大人気アルファードにも気になるところが!! 最後の特別仕様車も加わった現行モデルを見る(13枚)画像ギャラリー爆発的人気を誇った3代目アルファード
2015年1月に登場した現行型アルファード。先代までの「大きなミニバン」というイメージを払拭し、「広い高級車」をテーマにしてクルマ作りが行われた。結果として、アルファード=高級車というイメージは定着し、開発目的は充分に達成されたといえるだろう。
エクステリアは充分な存在感をもち、インテリアには質感の高さと気遣いが融合された。所有する喜びを満たしながら、中へ乗り込めば自宅リビングのようなリラックスした時間を楽しめるのだ。アルファードに乗り込むたび、クルマがこんなに快適な移動手段になるのかと、筆者は毎度感服させられる
これだけ売れたクルマだから、良い点は挙げれば枚挙にいとまがない。高い人気は充分な資産価値も生み出している。
令和の日本における「高級車」は、黒塗りのセダンではなくアルファードに変わった。クルマの概念をも変える存在、それが3代目アルファードである。
重箱の隅もチェック! 3代目アルファードの気になるところ
現行型アルファードは、約7年前にデビューしたモデルだ。相応の古さが感じられるのは仕方ないだろう。しかし、高級車という地位に上がってきたことを考えると、気になる点はいくつかある。
まずは、パワートレイン。ガソリンの2.5Lモデルが人気だが、車両重量2トン近いボディを引っ張るには、力不足を感じる。特に筆者は高速合流時などの中間加速に鈍さを感じてしまう。組み合わされるSuper CVT-i(自動無段変速機)の挙動にも不自然さがあり、加速が必要な場面で、ギクシャクした感じを受けてしまう。多段式ATの方が扱いやすいのではないだろうか。
また、2列目シートでの移動は最上級なのだが、助手席や3列目に座った際に、不快な縦揺れを感じる。振動をいなして緩和しようという意図は分かるのだが、フワッとした収束の仕方は車酔いを生みそうだ。
さらに、3列目シートの収納方法にもこだわりを見せて欲しい。跳ね上げ式にも利点はあるが、使用しない際に目につく場所へ残るのは、2列目メインの高級車としていかがなものだろう。
特に高級車を語るのであれば、車内に入ったとき、乗っているときの質感には磨きをかけたい。2列目へ乗り込めば、ほぼ完ぺきなアルファード。しかし、運転席・助手席・3列目に座ると、気になるところが顔を出す。
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