日産は日産であり続けられるのか? ついに公開されたルノーとのアライアンスの内容とこれからについて

■ルノーとの関係の見直しが進むのなら日産は何を目指すべきなのか?

 デメオ新CEOは5月、6月と来日し、日産、三菱自首脳と、BEV新会社に両社がいかに関わっていくかを議論しています。

 そのなかで、ルノーが43%日産に出資、日産は15%をルノーに出資する持ち合い構造の見直しの論議も行っていることでしょう。

 ルノーの改革フレームワークは大きく3つの取り組みがあります。

 第1に、BEV新会社を設立し、ルノーは60%以上の出資を維持し、2023年初頭の株式上場を目指します。

 第2に、内燃機関事業をICE新会社に移管し、非連結化(切り離し)を目指します。

 そのICE新会社の価値向上には人員整理などに1500億円近くの費用が必要といわれますが、非連結化は企業価値向上に大変魅力的です。

 第3に、日産との株式持ち合いのリバランスで新たな資金を獲得することです。

 ルノーには生き残りへの戦略と企業価値の再評価という多大な好機があるようです。

 一方、日産は何を得られるのでしょうか?

 すでにアライアンスは対等なガバナンスで運用され、昔のような搾取の構造はありません。

 日産が得られるものは、ルノーの支配を脱却できるという感情的な救済であるなら、感情的なディールに多額の資金を投じてもステークホルダーの納得は得られないでしょう。

 この局面を日産の未来に繋げられるか、現経営陣には重大な説明責任が求められるのです。

●中西孝樹(なかにしたかき):オレゴン大学卒。1994年より自動車産業調査に従事し、国内外多数の経済誌で人気アナリスト1位を獲得。著書多数

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