売れている車が買った人すべてにとって「いいクルマ」とは限らない。こう言うと粗探しみたいに聞こえるかもしれないが、しかしどんなに人気の高い車にだって「残念」なところはあるものだ。
決して安くはない買い物なのだから、細かいところでも、あとから「失敗した!」「こんなはずじゃなかった!」なんて頭を抱え込まないためにも、知っておくべき点は知っておいたほうがいい。
その残念ポイントが、アナタがクルマ選びの際に重視するポイントであるなら「待ち」という選択もありえる、ということ。車両全体の総合評価は“★”の数(満点は5つ星)で判定しているので、併せて参考にしてくださいね。
※本稿は2018年8月のものです
文:渡辺陽一郎、片岡英明/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2018年9月26日号
■HONDA N-BOX
(2018年1〜7月の1カ月平均販売台数:1万996台)
●ラゲッジ拡大は簡単だが床面には段差が残る
メーターをインパネの奥まった高い位置に装着したから、小柄なドライバーは圧迫感を抱きやすい。収納設備はトレイが多く、フタの付いたボックスは少ない。後席を畳むと、広げた荷室の床に傾斜ができる。車両重量が890㎏に達するから、ノーマルエンジンでは登坂路や高速道路でパワー不足を感じやすい。
(渡辺陽一郎/評価点 ★★★★★)
●NAの実力アップで、ターボの陰が薄く…
トータル性能は高いが、デザインはキープコンセプトだ。新鮮味は今一歩にとどまる。自然吸気エンジンがVTECによって実力アップしたため、一般道を中心とした走りではターボの存在価値が薄まってしまった。先進安全装備は充実したが、サイドエアバッグが一部グレードにオプション設定となっているのは不満だ。
(片岡英明/評価点 ★★★★★)
■TOYOTA アルファード/ヴェルファイア
(2018年1〜7月の1カ月平均販売台数:8511台)
●乗降性難ありで重心高し。左側面の死角多く、注意
プラットフォームを刷新したから床を下げられたのに、周囲を見下しながら走る優越感を優先させて高く保った。乗降性が不満で、重心も高い。視線の位置が高いから遠方は見やすいが、左側面の死角が広く、ボディも大柄だから運転しにくい。3列目は床と座面の間隔が足りず、足を前方に投げ出す座り方になる。
(渡辺陽一郎/評価点 ★★★★☆)
●室内は広いが、フロアが高く乗降性にやや難あり
キャビンは広いがフロアは意外に高く、乗降性は今一歩。8人乗りは荷室を拡大しやすいが、上級モデルの設定がない。上級のV6エンジンは気持ちいい加速を楽しめ、静粛性も高いが、プレミアムガソリンが指定だから経済的ではない。ハンドリングと乗り心地の妥協点は高いが、高速でもう少し落ち着きが欲しい。
(片岡英明/評価点 ★★★★☆)
■HONDA フリード
(2018年1〜7月の1カ月平均販売台数:7287台)
●室内高不足気味で3列目の座り心地に難アリ
床の位置はステップワゴンと同等だが、全高は130MMほど低く、室内高が不足しているため圧迫感が少し生じる。この影響で3列目シートは座る位置が低くなり、床と座面の間隔が不足した。腰が落ち込んで膝が持ち上がりやすい。ハイブリッドは1列目の下に駆動用電池が収まり、2列目に座る乗員の足が収まりにくい。
(渡辺陽一郎/評価点 ★★★★☆)
●先進安全装備充実するも、クルコンがやや残念性能
キャプテンシートの6人乗りは、前後にスライドするだけだし、3列目は大人だと少し窮屈だ。荷室拡大のための3列目シートの収納は跳ね上げる作業が意外に重く、ちょっと面倒。先進安全装備は充実している。が、追従クルーズコントロールは完全停止ではなく、低速になり30km/hで解除されてしまうのが残念。
(片岡英明/評価点 ★★★☆☆)
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