プリウス11月末で生産終了か? ハイブリッドのパイオニアは新世代へ突入する

■ハイブリッドが当たり前になった今、プリウスはどう変わっていくのか

現行型トヨタ プリウスに設定された特別仕様車S“ツーリングセレクション・Black Edition”(プレシャスブラックパール)
現行型トヨタ プリウスに設定された特別仕様車S“ツーリングセレクション・Black Edition”(プレシャスブラックパール)

 初代から3代目までが担っていた「唯一のハイブリッド」というブランドは、現在のプリウスには無い。既にトヨタラインナップのほとんどのクルマにハイブリット機構が組み合わされ、ハイブリット=プリウスという図式も成り立たなくなった。

 それでも、ハイブリッドを体現し、成長させてきたプリウスには、他車とは違うハイブリットへのこだわりがあるだろう。

 その一つが燃費であり、さらにはCd値(空気抵抗)だと思う。

 世界トップレベルの燃費性能を誇示し続けてきたプリウスが、次に目指すのもまた世界のトップだろう。ノア・ヴォクシーに搭載された第5世代のハイブリットシステムを搭載し、燃費性能を新たなステージに引き上げる。

 さらには、Cd値にもこだわりを見せるはずだ。初代の3BOXセダンから、2代目以降2.5BOXとも言える独特なボディ形状を維持する。プリウスは、セダンやワゴンといった、型にはまったボディ形状ではなく、独自のカタチを作ることが、トヨタの中で唯一可能な車種と言っても過言ではない。

 つまり、全長を伸ばそうが、幅を広げようが、さらには高さを変えたところで、そこに「意味」があれば、プリウスファンは離れない。プリウスと一目でわかるようなボディ形状の方が、これまでのプリウスユーザーからのウケは良いだろう。

 3代目も4代目も、デザインや機能性を重視した結果、後席の頭上スペースや荷室スペースなどは十分とは言えない出来であったが、それもまたプリウスである。不出来にも見える機能性には目を向けず、プリウスだからこそ追求する性能に価値を見出すユーザーは多いと思う。

 既に大枠は出来上がっているはずの新型は、どのような仕上がりになっているのだろうか。普通のクルマではプリウスではない。何かを犠牲にしてでも、プリウスが掴み取りたかった価値が何なのかをハッキリとさせる、そんなクルマ作りが実現されていると嬉しい。

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