2022年7月21日、新型ホンダ シビック タイプRが公開された。その姿を見て一気に惹き込まれ、購入を考えた人も多いだろう。
ベストカーでお馴染みのライター伊藤 梓氏もそんな一人だ。なんと伊藤氏はメディア向け撮影会で一目惚れし、未試乗なのはもちろん、スペックも価格も納期も何も分からない状態で予約開始日当日に契約に踏み切ったという!!
自動車媒体もジャーナリストもスペックについては未だに情報がないし、ホンダは9月の正式発表まで秘匿にするつもりのようだ(しかも価格だって正式発表はしていない……)。
それなのにタイプRを買っちゃうとはまさにクルマ好きとしては究極。しかも代名詞のロードスターNR-Aとの2台持ちという。伊藤 梓氏の新型シビック タイプR契約までの顛末をご本人にレポートしていただいた。見習うべきはこのクルマ愛よ!!
文/伊藤 梓、写真/HONDA
■あずあずご乱心!? ロードスターとの2台持ち前提でタイプR契約!
みなさん、こんにちは。フリーランスで自動車関連のライターをしている伊藤梓です。なんと私、新型シビック タイプR、契約しちゃいました!
普段は、マツダ ロードスターに乗っていますが、ロードスターは一生の相棒と決めていることもあり、ロードスターを下取りに出さずにシビック タイプRとの2台持ちを決意するという狂気の沙汰……。
最近では姪っ子が産まれ、姉夫婦はクルマを持っておらず、さらに運転も苦手なので「2台目にファミリーカーとか、どう?」と期待の眼差しを向けられていました。
が、己の“車欲”という名の欲望には勝てずに契約に至りました(シビック タイプRは、一応4人乗りなのでファミリーカーとしても活躍させる予定ですが)。
はたして、そこまで私を突き動かしたものは何だったのか? 今回は、それをお話ししたいと思います。
■激白! シビック タイプR契約に至るまで
それは、シビックのハイブリッドモデルであるe:HEVの試乗会に行った時のこと。試乗会にプラスしてタイプRのメディア向け撮影会があるということで、e:HEVの試乗後に私もついて行くことになりました。
あくまで私の仕事は、e:HEVの試乗だったので、頭の中はe:HEVの新技術やインプレッションをどうまとめようかということでいっぱい。正直、最初はタイプRのことを深く考えていませんでした。
そして、タイプRを撮影する会場へ。結婚式場で使われるような会場の大きな扉を開けると、スポットライトを浴びたタイプRが目の前に現れました。
タイプRにしか設定のないチャンピオンシップホワイトに塗られたボディと、アクセントにお馴染みの赤がきらりと光っているその姿が、あまりに美しく、ただただ「かっこいい……!」という言葉しか出てきません。
以前からタイプRには漠然とした憧れがありました。先代のシビック タイプRに試乗した時には、とにかく走りはパワフルで驚くほどクイックに曲がるし、「走りは最強!」という強い印象を持った覚えがあります。
ただ、その迫力あるデザインに「運転するのは最高に楽しいけど、自分向けのモデルではないかも」と、勝手に線引きをしてしまっていたような気がします。
それが、新型のシビック タイプRは、タイプRの存在感がしっかりとありながらも、先代のゴツゴツした感じはなく、ノーマルモデルのデザインを活かした綺麗なデザインになっていて、自分が運転するイメージが自然に湧いてきたのです。
その瞬間、これまで手が届かないと思っていた憧れとの距離感が急激に縮まったような感覚になって、急に胸がドキドキし始めて、「このクルマ、欲しい」とはっきり思っている自分がいました。
その後、開発者の話を伺ったのですが、さらにこの「欲しい」気持ちにズキュンときたのは、開発責任者の柿沼秀樹さんが自信満々の表情でプレゼンしていたこと。
最初は「先代であれだけ走りを極めていたから、新型を進化させるのは難しいのでは……」と思っていたのですが、柿沼さんのその顔を見て、直感しました。新型は絶対に先代を超えた走りが期待できると。
自分で試乗もせず、スペックも価格も納期も何も分からない。今ここにあるのは、このかっこいいクルマと自信に満ち溢れた開発者の言葉だけ。
正直こんな状態でクルマを購入するなんて、自分自身にとってあり得ない選択だと思いました。
ただ、こうも思ったのです。
これだけクルマにときめくことなんて最近なかったな、と。
無条件に欲しいと思える、胸がドキドキする、そういうクルマに出会えることが今後どれくらいあるのか、と。
ただのクルマバカとして本当に気に入ったモデルに乗れる時間が人生であとどれだけあるんだと!
それなら、買う以外の選択肢はない!
その思いに突き動かされて、予約が開始された日には、足が自然とディーラーへ向かっていました。
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