今年上半期の国産車販売トップ3はすべてトヨタ車! トヨタ一強はこのまま続くのか!?

■他社に対して減産幅が大きいトヨタ。なぜか?

カローラシリーズは今年7月に2位にランクインしているが……
カローラシリーズは今年7月に2位にランクインしているが……

 トヨタだけ厳しいのか? 全体の数字から考えるとトヨタだけ他社より厳しいと思う。同じ割合だけ生産台数が減れば、全体の順位は変わらない。けれどトヨタだけ減産幅が大きく、相対的な台数が減ってしまっている。7月の対前年比で日産134%、ホンダ98%に対してトヨタ72.3%で圧倒的に少ない。これだけ落ち込めばTOP10に5車種しか残らないのも当然かと。

 なぜトヨタだけ厳しいのだろう。さまざまな方向から取材してみたのだけれど、明確な答えがわからない。アンチトヨタは「部品メーカーに対して調達価格を叩きまくるから意趣返しされている」みたいなことを言うけれど、明らかに違う。むしろ自然災害などの時はトヨタが部品メーカーに応援チームを送り込むなど、一体感が強い。部品メーカーに聞くと、トヨタの評価は高いです。

 もちろん金額的にシビアながら、だからといって破綻するような要求はしてこないという。もっと言えば今回の生産台数減、部品メーカーにとっても絶対的な部品の生産数が減れば収益に大きな影響をもたらす。受注状況は絶好調なのだから、ドンドン部品を供給すればいい--という状況にもかかわらず、生産台数を伸ばせない。そうこうしているうち、待ちきれない人は他社のクルマを買う。

■トヨタの人気車は当面、納期は1年以上になることを覚悟

本来は1万台以上売れてもおかしくないアクアは今年7月は10位という結果に
本来は1万台以上売れてもおかしくないアクアは今年7月は10位という結果に

 トヨタの経営陣に聞くと、「販売台数が減るという直接的な影響は厳しいです。それ以上にお客さんに対してご迷惑をおかけしていることについて憂慮しています」。納期1年以上となっている売れ筋モデルのチーフエンジニアに、正常生産となる目処はついているのかと聞くと、「今のところまったく見通しが付かない状況です」。

 どうやら最終的には半導体の不足がすべての足を引っ張っているようだ。

 残念ながら半導体不足がいつ解消するかわからない。自動車業界だけでなく家電業界も半導体不足で大騒ぎになっているほど。トヨタは規模が大きく、共通の半導体が多いため、まとまった調達をしなければならないということらしい。

 当面は人気車の納期が1年以上になることを覚悟しなければならないようだ。「当面」の期間ながら、最短で2年くらいを考えておきたい。

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