コアなクルマ好きには振り向いてもらえたものの、大半の人には受け入れてもらえなかった不遇な現役時代を過ごしたクルマは数知れず。しかし、多様性が叫ばれる今、時代の流れに合わせるかのように中古車市場で価格が上昇しつつあるクルマもまた数知れず! ここでは、その代表選手たちを厳選して紹介していこう。
文/FK、写真/日産、マツダ、FavCars.com
【画像ギャラリー】中古車市場で名誉挽回中のクルマたちに再注目せよ!(20枚)画像ギャラリーS14シルビアが不人気車と呼ばれたのは“今は昔”!?
今や貴重な存在となったコンパクトサイズのFRスポーツモデル。その王道として絶大な人気を獲得したのがシルビアだ。今なお根強いファンがいるFRスポーツモデルなだけに中古車市場でのシルビア人気は依然高く、S13/S14/S15各世代の平均価格も200万円を下らないどころか、300万円に迫る勢いで高騰している。
そのなかで意外なのは、S14の人気ぶり。稀代のデートカーとしてバブル期に大ヒットしたS13や、走りにいっそうの磨きがかけられた最後のシルビアであるS15ならばともかく、現役時代は評価が低かったS14が……と思わずにはいられない。
操安性・居住性・衝突安全性の観点から移行された大柄な3ナンバーボディや、“たれ目”の愛称がつくほど精悍さに欠けたフロントマスクなどが一般受けせず、1993年10月の登場から早々に失敗作のレッテルを貼られたS14。しかし、ボディのサイズアップにともなって大幅な剛性アップが図られ、エンジンもターボ/自然吸気ともに最高出力が高められており、確実な進化を遂げていた。
1996年6月のマイナーチェンジではたれ目が“つり目”に刷新され、スポーツカーらしい鋭い顔つきに。RVブーム全盛期にデビューしたこともあってS13に比べればセールス的に低迷したものの、前述のとおり、貴重な存在となったコンパクトサイズのFRスポーツモデルなだけにS14の人気が今となって高まるのも無理はない!?
7代目セリカの前衛的なデザインに時代がやっと追いついた?
2000年前半に流行した“スポコン”と呼ばれるカスタムのベース車両として、一部のクルマ好きに人気を博した7代目のセリカは1999年9月に登場。
セリカといえば長きに渡ってモータースポーツの世界で活躍してきたトヨタを代表するスペシャルティクーペだが、7代目はクルマの原点にあるエンタテイメント性を堪能できる新スポーツスペシャルティをコンセプトに“ライトな新感覚GT”へと路線を転換。
その最大の特徴となったのは見る、見られる新感覚の楽しさを提供したエクステリア&インテリアのデザインにあった。
とはいえ、上位グレードのSS-Ⅱに採用されたVVTL-i付1.8リッターの新開発2ZZ-GEエンジンはバルブタイミングやバルブリフト量を可変制御とすることで高回転域までの伸びを追求。6MTやスーパーインテリジェント4AT、新設計のサスペンション、軽量&高剛性なボディなどとあいまって高い走安性と俊敏な操縦性を実現したが……当時はコンパクトハッチやミニバンが人気だったこともあって販売台数は伸びず、2006年4月に販売終了。
4~6代目では設定されていたGT-FOURのようなホットモデルが存在しなかったことも、7代目の人気獲得につながらなかった要因のひとつかもしれない。現在の中古車市場における平均価格は70~80万円と比較的リーズナブルだが、徐々に値上がりの傾向がある。
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