「レシプロより普通にロータリーが好き」な人が選ぶRX-8
RX-7の生産終了から8カ月後の2003年4月、RENESISと名付けられた新ロータリーエンジンを搭載したRX-8がデビュー。
2003年4月から2012年3月末までに海外向けを含めて19万2094台が生産されたRX-8は約9年間で一度のマイナーチェンジと二度の一部改良が行われたが、正式発表こそなされていないものの年を追うごとに厳しくなる排ガス規制やスポーツカー離れに起因するセールスの低迷などの影響などから、2012年6月に生産終了となった。
しかし、吸排気ポートをローターハウジングのサイド面に集約して環境性能と動力性能を高い次元で両立したRENESISは注目度も抜群。全域で高いトルクを発生するとともに、フューエルインジェクターや点火プラグの改良で低燃費・高出力・クリーンな排出ガスを有する自然吸気の新世代エンジンとして高く評価され、英国のエンジン技術専門誌『エンジン・テクノロジー・インターナショナル』が主催するインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーも受賞した。
大人4人が乗れる空間を有する4シーターでかつ観音開きのフリースタイルドアシステムを採用した唯一無二のパッケージングは今も輝きを失っておらず、現在の中古車市場でも平均価格は100万円前後で推移している。
Z34型フェアレディZは今や希少な大排気量エンジン+後輪駆動のスポーツモデル
2022年1月に発表された日本仕様の新型が話題を呼んだフェアレディZ。フェアレディZと言えば米国での人気は抜群なのにもかかわらず、日本ではいまひとつ……というイメージがある人も多いだろう。
2008年12月に登場したZ34型も発売当初は2週間で月販目標の約2倍となる1051台の受注を獲得したことが発表されたが、14年間の累計販売台数は約13万台。2020年は395台、2021年に至っては461台という低調ぶりだ。
とはいえ、Z34も初代から続くZらしさの象徴である“ハイパフォーマンス”、“デザイン”、“ハイバリュー”において飛躍的な進化を遂げていることは間違いない。
パフォーマンス面で言えばショートホイールベース化と大幅な軽量化に始まり、355psの最高出力を発生するVQ37VHRエンジンと世界初のシンクロレブコントロール付6MTや新開発のマニュアルモード付7ATとの組み合わせなどにより、世界トップレベルの運動性能を実現。
インテリアもドライバーとコックピットの一体化を目指すべく、スポーツカーとしての機能性と質感の高さの両立が図られている。
現在の中古市場における平均価格は200~250万円だが、今や貴重な大排気量エンジンを搭載したFRスポーツカーなだけに値上がりは必至かもしれない。
角張ったエクステリアデザインがたくましすぎるクロスロード
3列7名乗車機能をもたせることで新たな価値を提案するコンパクトSUVとして、2007年2月に発売されたクロスロード。
“アクティブ・ライフ・ナビゲーター”のコンセプトのもとに開発された一台は塊感のあるスクエアなデザインが力強さと存在感を際立たせるとともに、センターピラーやウィンドウまわりの彫りを深く面取りした造形がたくましさを表現。
インテリアも四角を基調としたデザインによって骨太でかつ安心感のある空間が演出されていた。エンジンは2.0リッター i-VTECと1.8リッター i-VTECの2種類を設定。ホンダならではのVTECを進化させたバルブタイミング制御とドライブ・バイ・ワイヤとの組み合わせにより、スロットルバルブの最適制御を実現。低速域での力強いトルクとクルーズ走行時の優れた燃費性能を両立していた。
しかし、当時のホンダにはステップワゴン、ストリーム、さらに上級モデルにはオデッセイやCR-Vといった人気モデルが存在していたこともあって確固たる支持を得ることができず、3年8カ月という短期間で販売は終了に。
だが、近年は中古車市場で平均価格が100万円前後と比較的リーズナブルなこともあってアウトドア志向の強いユーザーがカスタムベースとして選ぶことも多く、にわかに人気を博している。
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